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【名演奏家探訪】ピアニスト/イローナ・アイベンシュッツ Ilona Eibenschütz
皆さんこんにちは、青竹です。これから「名演奏家探訪」と題したコラムを始めます!
ここでは古今東西、歴史的に重要な名演奏家の演奏を少しずつ紹介できればなと思っていますので、どうぞ気楽に読んでみてください。
記念すべき第一回は女流ピアニストイローナ・アイベンシュッツです!
イローナ・アイベンシュッツ
アイベンシュッツは1873年生まれのハンガリーのピアニスト。1886年から1890年に渡ってあのクララ・シューマン(1819-1896。ロベルト・シューマンの妻)からピアノの手ほどきを受けました。クララ・シューマンは当時フランクフルトで教鞭を取っており、アイベンシュッツはその愛弟子の一人だったのです。とはいえ彼女はクララと出会う前から既に神童として有名でした。彼女の能力の高さを彼女の娘が語っています。
「(アイベンシュッツは)考え、動き、行動ともに非常に素早く、楽譜を読譜する際には本を読むような容易さで読んだ。そんな読譜能力をもつ彼女のことを、ヨアヒムはふざけて『楽譜喰らい(Note-Eater)』と呼んだほどだ。」
ピアニストとしての能力の高かったアイベンシュッツですが、重要なのはその交友関係に師のクララ・シューマン、そしてヨハネス・ブラームス(1833-1897)がいた事でしょう。ブラームスは彼女の演奏に大きな信頼を置いており、《6つの小品》op.118や《4つの小品》op.119の初演を任せています。
今となっては聴く事の叶わないブラームスの演奏ですが(録音が残ってる事には残っていますが残念ながら音質が...。泣)、近しい存在であった彼女の演奏からその演奏スタイルやエッセンスを垣間見る事ができるのです。この様な演奏家達の録音は本当に貴重で、今を生きる演奏家達も絶対に聴いておかなければならないと僕は思っています。なんたって彼らの演奏が手元で聴ける時代なのですから。
ではそろそろアイベンシュッツの演奏を聴いてみましょう!
アイベンシュッツでブラームス《8つの小品》op.76より第4曲でした。
音楽の抑揚は大きく、音価をより自由にとらえている印象です。
続いてはシューマンの《アラベスク》op.18。
アゴーギクのつけ方が音型と密接につながった演奏。
最後に先ほど少しだけ出たブラームス自身の演奏も貼っておきます。録音状態はかなり微妙ですが...。
次回もお楽しみに!
文:青竹(コロンスタジオライター:Twitter @BWV_1080)
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