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藤沢市大庭の竹藪から姿を現した「“意味深”な謎の丸石」その不思議な存在が告げる「“山梨県”の秘密」

2024/08/26 ヤフーニュース掲載記事

■この記事の好きなポイント■
いつもの通りにある「なんだこれ?」を掘ってみた記事。そこには思いがけない真実が隠されていることも...。
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【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~

藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。85カ所目は藤沢市大庭にある『地蔵尊・謎の丸石・駒形双体道祖神』です。

先日『旧舟地蔵』付近の住宅街を歩いていると、以前は竹やぶだった場所に『地蔵尊・謎の丸石・駒形双体道祖神』があることに気付きました。

今はこのようにすっきりとした状態ですが、GoogleMapに残された数年前の写真がこちら。

写真引用元:GoogleMap

元はうっそうとした竹やぶだったことがわかりますよね。

その竹やぶから姿を現した3体。正面から見るとこのような感じ。

写真左から『地蔵尊・謎の丸石・駒形双体道祖神』と並んでいます。

地蔵尊は1,776年に建立されたもの。SNSで見かける穏やかな表情をした地蔵尊とは異なり、少し険しいお顔立ち。右手には「錫杖(しゃくじょう)」、左手には、災難を除きいかなる願いごとも叶えるといわれる玉葱のような形をした「宝珠(ほうじゅ)」を持っています。

ちなみに、同じく玉葱形の「擬宝珠(ぎぼし・ぎぼうしゅ)」もこれの仲間と言われていますよね。藤沢市内だと「遊行寺橋」などの欄干で見られます。

写真引用元:GoogleMap 藤沢市「遊行寺橋」の「擬宝珠」

地蔵尊の台座部分には文字が刻まれていますが、完全は読み取れません。ですのでどのような経緯で建立されたものなのかは不明です。

続いて駒形双体道祖神。

こちらは地蔵尊より約50年後の1,825年に建立されたもの。

村の守り神・子孫繁栄・交通安全などの役割を持つといわれる道祖神ですが、この道祖神はきっちりとした「駒形」をしている点がレア。今から約200年前の石仏にも関わらず、形がとてもきれいに残されています。

そしてこの2体の間に挟まれているのが謎の丸石です。

この丸石、一体何なのでしょうか?特に何の説明もなく謎過ぎます...。

過去の写真を見ると、丸石が台座から落ちていた時期もあったようですが、今もこうして祀られているあたり、なにか意味があるように感じますよね。

“祀る丸石”について調べると、山梨県を中心に見られる「丸石神信仰」からくる「丸石道祖神」が浮上(参考リンク:日本伝承大鑑「丸石神」(外部リンク))。日本伝承大鑑「丸石神」の記事の中に、

この丸石神信仰と言えるものが見られるのは、山梨県一帯とその隣接エリアだけに限られる。

と書かれていることから、その可能性が高いのでは?と感じました(個人的推察です)。藤沢市内のほかの場所にも点在するのか、今後探してみたいと思います。

日頃よく目にするがゆえに、かえって気が付かないことの多い地域の石仏にまつわる歴史。その背景などを調べると、新たな洞察が得られることもあります。いつもの道を、たまにはゆっくりと歩いてみませんか?

基本情報
『地蔵尊・謎の丸石・駒形双体道祖神』
住所:藤沢市大庭
※駐車場は無いため、行かれる際は公共交通機関をご利用ください。

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