「レザー」「革」表示の厳格化について
昔に近いかなり前に靴のショップで販売員として
働いていたことがあります
その時は「合成皮革」の事を「ケミカル」とか「合皮」と呼んでしました
当時の靴屋用語なのかもしれません
接客の際にお客様から「この靴は本革ですか?」と聞かれ、
「いいえ、本革ではありません。合皮です」と答えたら
その後店長から「合皮とか言うな!」と注意されました・・・
「でしたら何と答えればいいですか?」と聞くと
「革とか、レザーと答えろ!」・・・えっ・・・なぜ?
「革は革なんだから!」
「合皮とか言うとイメージが悪いから」だそう・・・
「それって、いいの??」
と思った事を覚えています。
本革と合成皮革はもちろん物性が全く異なります。
特に靴だと外見で分かりづらくても
例えば本革は履いていると足の形状に合わせて
足から出る蒸気や熱などで自然に足に馴染んで形が変わってきます
合成皮革は材質にもよりますが、
一般的にその様な形状の変化はありません
思い切り引っ張って伸ばせば別ですが・・
それを「馴染む」とは言いません
要は靴としての履き心地や機能にも関わります
見た目は同じ様な「革」製品でも
本革と合成皮革では物性や取り扱いも全く別物なのに
混同するような表示や説明を良しとするのは
適切じゃないなと以前から思ってました。
ところが最近それに動きが・・・
「「○○革」「○○レザー」といった表記の厳格化が進みそうだ。日本産業規格(JIS)は3月、「革」「レザー」の用語を規定した。「革」「レザー」と呼べるのは、動物由来の素材に限定する。近年増えているリンゴ、キノコ、サボテンなどを由来とした素材を「○○レザー」「○○革」と呼ぶことはJISに適合しない。さまざまな名称が氾濫しているため、消費者の誤解を招かない措置が必要と判断された。」
との記事を見つけました。
「近年はサステナブルをうたうビーガンレザーやエシカルレザー、あるいはマッシュルームレザー、アップルレザー、サボテンレザーなど、非動物由来の素材にも「レザー」という言葉が使われるケースが急増した。動物の皮を使わずに、革の質感を再現した素材だが、正確な理解が浸透しないまま、消費者が誤解するケースも増えていた。対応策として既に15年に欧州規格のEN、19年に国際規格のISOが「leather」の規格を定めている。
今回のJISも国際的な規格化の動きに沿ったものだ。皮革業界や消費者センター、百貨店など小売業界からの要望もあった。JISの規定では、植物由来で革の質感を再現した素材は「合成皮革」「人工皮革」に分類される。
今後、衣料品、バッグ、シューズなどの販売で表記が厳格化されることになる。JISに法的な強制力はないものの、百貨店など大手小売業を中心にJISに合わせ、「ビーガンレザー」「エシカルレザー」などの表記を避ける動きが広がりそうだ。」
との事でした。
ビーガンレザーやエシカルレザー???初めて知りました・・
ビーガンとかエシカルとかなら
そもそも皮に見える様な素材自体を使わなければいいのに・・・
とか思ってしまうのは私だけでしょうか???
まぁ、ファッションだから仕方ないかな・・・
いずれにしても、今後このような誤解を生んでしまいそうな
「○○革」「○○レザー」などの表示はJIS規格の規制の対象に
なりそうなので、皆さん注意して品質の表記と
エンドユーザーへの説明を行う事にしましょう!!