着物リメイク商品開発の実例
先日の投稿でも触れましたが、反響があったため、
実際に弊社でお受けした着物リメイク商品の
開発事例についてご紹介いたします。
前回の投稿でもお伝えした通り、
弊社では着物の解体業務はお受けしておらず、
ブランド様にて解体していただき、
反物の状態で支給いただきました。
解体された着物はおおよそ12mの反物となり、
生地幅は35cm前後です。
これは本物の着物生地が一般的にこの幅で
織られているためです。
通常のアパレル用生地の幅が108cmから148cm程度であることを
考えると、約1/3以下の幅となります。
このため、リメイクデザインには多くの切り替え(接ぎ)が
必要となり、独特のデザイン構成になります。
今回、ブランド様から支給された反物は
解体の際に接ぎ目が施されており、
特別に加工を施してくれる業者様が関わっているとのことです。
ただし、生地の強度が低いため、
通常の生地と同様の耐久性を持たせるために、
芯地やテープで補強を行う予定です。
その上で、デザイナー様ご指定のデザインに基づき、
ワンピースのパターンを2型制作いたしました。
1つは接ぎのない花柄生地を用いたデザインで、
前から見るとケープを纏っているようなヨーロッパ風の仕立てです。
もう1つは、日本的な振袖風のデザインです。
トワルチェックはすでに終了しており、
これからトレース作業に移る予定です。
着物のリメイクは通常、元の着物に合わせて
パターンを手作業で作成することが多いですが、
今回のプロジェクトでは商品としての正確性や
再現性を高めるため、パターンをしっかりと作り込みました。
また、ブランド様からセミオーダー対応のご要望もあったため、
パターンのデータ化を行い、修正のしやすさや
寸法の正確性、着心地の調整がしやすいようにしています。
このように、通常のアパレル製品と同じ工程でパターンを制作し、
商品の精度を高めるとともに、コストの抑制や
リードタイムの短縮にもつなげています。
また工程や作業の汎用性も図っています。
現在はトワルチェックが終了し、
これからサンプルの製作に進む予定です。
続きはサンプルが完成しましたらご報告いたします。