わたしは今日まで生きてみました
1972年公開の邦画、旅の重さ。
始まってすぐに吉田拓郎さんの今日までそして明日からが流れてすごく贅沢で好きだなって思いました。
いくら私が旅を続けて 自分を放浪者だなんて気取ってみても
この連中に比べたらまるで子どもだからなんです
食べることと寝ることと 男女のことしか考えない彼らの生きかたには
放浪に徹したある気高さがあります
それは文学なんかに首を突っ込んだために 臆病で 疑い深く
そのくせ真実がつかめない 私なんかから見ると
くやしいほど うらやましい生きかたなんです
すごく単純に言うと16歳の少女が四国でお遍路さんになりきり、家出しながら自分の気持ちを母に宛てるってあらすじなんだけど、
その母に宛てる言葉がすごく重くて綺麗で、見終えた後の気持ちはなんとも言えなくて。
丁度50年も前の作品なのに、だからこそか、こんなにも心が高まるのは不思議で。
昭和の映像特有の女の人のあのボソボソした話し声が、昭和を生きていないのにあぁ懐かしいと思えてくる。
こんなにも人に求められたくて求めたくて全身でもがき苦しむ姿が羨ましく思った。
あぁこのひとが残酷な天使のテーゼの高橋さんですか。
魂って言葉が似合う方ですね。