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私が死にたいと思わなくなった日⑤

こんにちは、おむすびころもです。
なんとこのシリーズも⑤。
一体いつまで続くのやら。

嘘です。多分⑦くらいで終わると思います。

それでは、前回までの記事のURLを貼っておきますので、まだ読んでいない方はこちらも是非お読みください!


それでは⑤の内容に移ります❁⃘

コスモスの花

病室に入ると、祖母のベッドの周りには、母と叔母が座っていました。

病室の空気は、帰省した私を家族が包み込んでくれるような、そんなあたたかさを感じました。

2人はよく帰ってきたねと、私を祖母のそばの椅子に座らせてくれました。

祖母はベッドの上で体を横に向けていました。
顔には酸素マスクがあり、呼吸はとても苦しそうでした。

おばあちゃん、帰ってきたよ!○○だよ!

私は祖母に顔を近づけて、自分の名前を言いました。

祖母はずっと苦しげに、ゆっくり息を吸って吐いていました。

また、祖母の腕には血圧を測る機械がついていました。
そのせいでしょうか、祖母の腕はパンパンに浮腫んでいました。

血圧を測る機械は数分毎に血圧が表示されます。
血圧は、だいぶ低く表示されていました。

ずっと低いままだそうです。
少しでも上がると、毎回みんなで喜びました。

祖母を静かに見つめるしかできない時、私は思いました。

私はなんのために帰ってきたんだろう。
おばあちゃんに元気になってもらうためじゃないの?

そこで私は、祖母にある曲を聴かせました。

「コスモスの花」

この曲は、昔祖母が私によく歌ってくれた曲です。
祖母が歌ううちに私も覚えて、よく2人で一緒に歌っていました。

おばあちゃん、この曲覚えてる?

携帯を祖母の耳に近づけ、曲を再生しました。
懐かしい音楽が、部屋に響きました。

すると祖母の横を向いている顔は、少し上を向きました。
それは携帯に耳を澄ましているようでした。

聴いてるんじゃない?とみんなは笑顔になり、私もとても嬉しかったです。

それから他にも祖母が歌っていた曲や、前に祖母が反応した曲など色々と聴かせました。
しかし、それ以上の反応はありませんでした。

次に、私は愛犬の写真を見せることにしました。

祖母はこの犬のことが本当に大好きで、とても可愛がっていました。

写真を祖母の顔に近づけると、時々目をキョロっと動かして、見ているような気がしました。

そうしているうちにいとこや父が来たりし、みんなで祖母の周りを囲みました。
時間はあっという間に過ぎ、時刻は16時。

看護師さんが来て、祖母の体を綺麗にするということなので、私たちは院内の休憩コーナーのような所に座っていました。

そこでゆったりしていると、少しだけ心に余裕が生まれました。

暫くして病室に戻ると、なんと祖母は目を瞑ってスヤスヤと寝ていました。

どうやら体を綺麗にしてもらったら安心したのか、眠ったんだそうです。

ずっと苦しそうな呼吸をしていましたが、眠っている祖母は少し楽そうに見えました。

ひとまず安心ということで、おじさんだけ病院に残り、私たち家族は一旦家に戻ることになりました。

久しぶりの実家に戻り、私は食事をとりました。
思えば今日一日、ちゃんと食事をしていませんでした。

病院では緊張や不安で、空腹など感じていませんでしたが、家に着くとたちまちお腹が空いてきました。

食事を終え、私は姉と電話をしました。
姉にいつ帰るのかと聞きましたが、東京だからコロナが心配と、帰る日を曖昧にされました。

確かに東京はコロナの感染者が多いので、病院にお見舞いに行くのは危険かもしれません。
しかし私は、今祖母に会いに来ないといけない。
そう感じていました。

母は言いました。

素直に帰っておいでって言えない。

結局いつ帰るのかは決められず、姉とは電話をきりました。

私は、迷っている姉にも母にも、少し腹を立てました。
私が姉の立場なら、どんな状況でもすぐに祖母に会いに行きます。

しかし姉はそれを躊躇っていました。

姉は正しいです。
正しい判断をしています。
でも、本当にこれでいいの?

私の気持ちはモヤモヤとしていました。

前日一睡もしていなかったので、寝た方が良いと母に言われ、私はベッドに横になりました。
この時の私は、祖母のことは少し安心していました。





0時半頃
突然母に起こされました。

おばあちゃん、また体調悪くなったから病院に行くよ

私たちは、すぐに病院に向かいました。

最後に

今回はここまでになります。

少し話が重くなり、読んでいて気分が落ち込む方、ごめんなさい(._.)

ところで、私が毎回コスモスの写真を選んでいるのですが、その理由が今回の話で明らかになりました!

コスモスは祖母の好きな花であり、私の好きな花でもあります。

次回の写真はいつもと少し変わりますので、お楽しみにしていてください!

それでは、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

よろしければスキやフォローもお願い致します!

また次回でお会いしましょう。

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