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【2025神奈川県数学】神奈川県高校入試追検査解説

本試験に続き、難しい。1週間期間が違うだけなのに難易度が異次元…
そしてありがたいことに(?)問題が大容量だから、50分で解ける問題数じゃない。70点取れたら数学力すだいぶ高いんじゃないでしょうか…?
このレベルを時間内に解きたいなら便利な公式を暗記&証明して、使いまくるしかない。推理力もなかなか大事
っていうか三角形好きすぎでしょ…




問1 計算

絶対に取りたい15点

(ア)正負の数

-10+(-2)
=-(10+2)
=-12

(イ)通分

-4/5+5/8
=-32/40 + 25/40 40で通分
=-7/40

(ウ)式の計算

(4x+2y)/3 - (5x-y)/4
=4(4x+2y)/3 - 3(5x-y)/12 12で通分
=(16x+8y-15x+3y)/12   分配法則
=(x+11y)/12

(エ)平方根

21/√7 - √28
=21√7/7 - 2√7 有理化する
=3√7-2√7 
=√7

(オ)展開

(x+8)(x-4)-(x-3)²
=(x²+4x-32) - (x²-6x+9)  左は(x+a)(x+b)の形 右は(a+b)²の形
=x²+4x-32-x²+6x-9   かっこを外す
=10x-41

問2 小問集合

ここまでは、本試験より簡単な気がする。ここまでは

(ア)連立方程式

0.2x-0.4y=1‥①  5x+6y=9‥②とする
①の式は両辺を×10して
2x-4y=10‥③
②③の式を連立すると、

(x、y)=(3 , -1)

(イ)二次方程式

解の公式に代入する a=2  b=-5  c=1だから

5±√(25-8)/4
5±√17/4

(ウ)二次関数の変化の割合

y=3xの変化の割合は一次関数の傾きに当たる部分
だから3になる

二次関数 y=ax²でxがpからqまで増加するときのの変化の割合はa(p+q)で求められるから、
この式に代入すると、
a(2+5)=3
      7a=3
        a=3/7

(エ)一次方程式

とりあえず線分図を書いてみる


<Aさんが分速70mで歩いた時間は分速90mで歩いた時間より5分長かった>の文章から、分速90mで歩いた時間をa分とすると、分速70mで歩いた時間は
(a+5)分と表せる。この二つの時間の合計が13分だから、

a+(a+5)=13
     2a+5=13
          2a=8
            a=4
分速70mで9分 分速90mで3分歩いたから、この道のりは、
(70×9)+(90×3)
=630+270
=990m

(オ)平方根

この問題を見慣れた形に直すと、
「√2646nが整数となる最小のnの値を求めよ」だから2646を素因数分解すると、2×3×3×3×7×7だから、二乗をつまみ出すと、
3²×7²×2×3 になって√2646=21√6になるから、n=6

(カ)正四面体の表面積

一辺が a の正四面体の表面積は√3a²で求められるから64√3になる
なぜこうなるかは下記を参照

正四面体は、4つの合同な正三角形を組み合わせた三角錐
一辺がaの正三角形ABCの頂点から底辺BCに垂線AHを下ろすと、
1:2:√3の直角三角形が出現する
△ABHで三平方の定理より、AHの長さは
AH²=a² - (a/2)²
AH²=a² - a²/4
AH²=3/4a²
AH  =√3/2a

この正三角形の面積は、
a × √3/2a × 1/2=√3/4a²
そして、正四面体にはこの三角形が4つあるから表面積は
√3/4a²× 4 = √3a² と導ける

問3 難問集合

(ア)(i)証明 

問題文がやたらと長いけど証明の文だけ読めばいける
簡単な問題が簡単な問題なのはいいことだと思う。
(a)②は∠OEF=∠AEC
 ③は∠OEF=∠GDF
のように書き換えられると
∠AEC=∠GDFですんなり解ける

(b)相似の証明だから1はありえない。
  さらに比の情報はどこにもないので、2 3もありえない
 よって、4

(ア)(ii)角度

難しい問題は難しいままだね…手順が多い。いったん飛ばしましょ
そもそも図が複雑すぎて見ずらい‥もう少し大きい図にしてほしかったな
…本試験では三角形の面積だったけど今回は角度。∠Fが飛び出すという傾向は本試験と追検査で同じでしたね

①問題文と証明の情報を書き込む。

∠Cは直径に対する円周角だから、90°で
・=90 - 68 =22°
BC=CDという情報を活用したい
→BDに補助線を引くと、二等辺三角形が出現する。
二等辺三角形の底角は等しいから、(180-68)÷2=56°

弧ADに対する円周角より、∠ACE=∠ABE=22°
∠ABCは56 - 22 = 34°
△ABCで三角形の内角の和は180°だから、
∠CBA=180 - (90+34)=56°
△ACEで三角形の内角の和は180°だから、
∠AEC=180 - (22+56) =102°

△ACE∽△GFDより、∠FGD=56° 
同位角より∠FGD=∠FOA=56°
直線は180°だから、∠FOE=××=180ー56=124°
×=62°とわかる。さらに、∠HOEは弧BHに対する円周角だから、弧BHに対する円周角の∠HAB=31°
∠DBAは、弧ADに対する円周角で22°だから、弧ADに対する中心角の∠AOD=44°
求める∠AIDは△AOIの外角だから、31+44=75°

図がごちゃごちゃしすぎました…次からは何か手を打ってみます

(イ)データの活用

もっと素直な問題の出し方ないのかな
推理ゲームです。しかもなんとなくで推理すると恐らくどこかでミスります。数学の考え方を理解したうえでの推理ゲームです

平均点が0.1上がったことに注目してみる。
データが変わるのは二人だけだから、全体的に中央値や四分位数が下がったとは考えずらい ここで2が消える

さらに平均値も上がったとはいえ0.1だけだから変更後でもそこまで大きな変化はないと考えられるので3も消える

さらに、Aさん+Bさん=6日だから、最大値の8人は変化しないはず
ここで1が消える

情報が少なすぎるので平均値を計算して箱ひげ図を考えるのは難しい。ここで、問題作成側の目線に立ってみる
6の選択肢は、変更前と変わってない。問題を作る上で変更前と変更後で変えないのはよっぽど性格が悪いとなかなかやらないと思うから×
ここで4か5に絞れた。
4だとしても、中央値が0.5増えただけ。問題を作る立場で考えて、中央値を0.5だけいじるっていうのはしょぼい。
中央値と第三四分位数が0.5ずつ変わって、平均値が0.1上がっているぐらいだと、ありえない箱ひげ図ではなさそう
何とか問題として成り立つ。よって5

さすがに解説のやり方が正攻法と外れ過ぎてた…
ちゃんとした数学の考え方でもやっておきます

変更前の箱ひげ図の情報を使いたい。2~3.5日の間に10人密集している。
さらにAさん+Bさん=6日・最小値は2日を使うと
Aさん、Bさんは(2,4)(3,3)(4,2)のいずれかだとわかる。
平均値が少ししか上がらない、四日の人数が変わらないことを考えると、
(2,4)→(3,4)になった可能性が高いのでは?となる
となると、データが箱の外から中に入ってくることになる
四分位範囲が広がる可能性が高い。
となると4,5のどちらかに絞れる。中央値が上がれば、第三四分位数も一緒に上がる→5

(ウ)三角形の面積

(イ)とは大違いの良問。試験時間内で解かなければいけないということを考えると良問とは言い難いが、単体で見るといいヤツです。
図形を見慣れた形に直すというのは本試験と同じ傾向でしたね

①問題文の情報を書き込む

②図形を求めやすい形に直す
台形だとやりずらい‥長方形だったらいいのに…
だったら長方形を作りましょう。
ということで、長方形を作ります。

少し線がずれているのは気にしないでください

そうすると、新たに直角三角形△BHDが出現する
△BHDと△AFDは、直角と共通な辺で△BHD∽△AFD

BDは△BHDで三平方の定理より
BD²=1²+2²
BD²=5
BD  =√5
すると、BD:AD=√5:1だから、相似比は√5:1となる。
FA=2cmだから、HBの長さも求まる。
√5:1=x:2
    x=2√5
ここからいろいろな辺の長さが求まっていく。

③三平方の定理から辺の長さを求める
BDは△BHDの比より、2√5×√5=10cm
FDは△AFDで三平方の定理より
FD²=(2√5)²ー2²
FD²=20-4
FD²=16
FD  =4
これらの情報をもとの図に書いていくと、
BF=10-4=6cmとわかる。
△ADFと△EBFは錯覚の関係で相似
相似比は、DF:BF=2:3より2:3
よってBE=3√5 
CE=4√5ー3√5=√5
AF:EF=2:3だから、EF=3cm
ここで△DFEは3×4× 1/2=6cm²

④EG:GDを求める
EG:GDが分かれば底辺の比=面積の比で求める△DFGの面積が分かる。
あとはEG:GDをどう求めるか。
EからFGに∠E=90°になるようにFIを引く
さらに、FからBEに垂線FJを引く。

FJは平行線と線分の比より
2√5 × 3/(2+3)
=2√5 × 3/5
=6√5/5

EJは平行線と線分の比より
√5×3/5=3√5/5cm

△CEIと△CJFは同位角より相似
CE:EJは√5:(√5+3√5/5)=√5:8√5/5
                                      =5:8

△CEIと△CJFの相似比は5:8
5:8=x:6√5/5
        8x=6√5
        x=3√5/4

⑥三角形の面積を求める
△IEGと△CDGは錯覚で相似
IE:CD=3√5/4:2√5
    =3√5:8√5
          =3:8
だから、EG:GD=3:8
△GFDの面積は
6×8/(3+8)
=6×8/11 底辺の比=面積の比
=48/11cm² 

(エ)方程式の利用

問題文の情報を数字を使って表す技術が必要
技術があっても結構難しいと思います

変更前の扇子の人数をx人、人形の人数をy人とする。
変更前だから、x:y=2:1

<変更後の扇子作りと人形作りを希望する人数の差は,変更前の扇子作りと人形作りを希望する人数の差より34人分小さくなった。  >

の文の文が悲情にやっかい😭
なのでできるだけこの文に深入りしたくない。

比が2:1→3:2になったことを使えないかと考える
比の合計を揃えたい
→15になれば揃うから、
2:1=⑩: ⑤  3:2→⑨:⑥
⑩→⑨、⑤→⑥になるときに人数が34変化した
→17ずつ変化したことになる
よって、①=17
17×15=255

問4 関数

原点を頂点とする三角形は本試験でも出たけど追検査でここまでいっぱい出てくるとは…
これは裏ワザ暗記ゲーじゃん

(ア)二次関数

Aの座標を求める
Aは、y=-x上にあり、x座標は-4
だから、A( -4 ,4 )
これを通る曲線の式は、
4=(-4)² a
4=16a
a=1/4

(イ)直線の式

①座標を求める
Bの座標は、Aとy軸に対して対称だから
B(4,4)
D,Eのx座標はAのx座標と一緒だから、x=-4
Dはy=-1/6x² 上にあり、x=-4を代入すると、
y=-1/6 × 16
y=-8/3
D(-4 , -8/3)
Eは、BDの中点だから、
(4+(-8/3))×1/2
=4/3×1/2
=2/3   E(-4 , 2/3)とわかる。

②問題を解く
E(-4 , 2/3)とB(4 , 4)を通る直線の式を求める
Xの増加量は8
yの増加量は4-2/3=10/3だから、傾きは
10/3÷8
=10/3×1/8
=5/12
y=5/12x+nの形だとわかる。
これにB(4 , 4)を代入して、
 4=5/12 × 4+n
 4=5/3+n
-n=-7/3
  n=7/3

(ウ)面積の比

原点を頂点とする三角形の面積は、座標クロスで求められるっていうことを知らないと時間内じゃ無理。

~座標クロスの方法(あくまで例です)~
原点を頂点とする三角形の原点以外の座標を書く。
今回はO(0,0)A(2,4) B(3,1)を頂点とする三角形の面積を求めます
①座標をクロスしてかけ算
②大きい方ー小さい方
③×1/2する

これを使って問題を解いていきます

△OCDで、C、Dの座標をクロスして面積を求めると、

①座標クロス
C(-2、4)
D(ー4、ー8/3)
 -16     16/3
②大ー小
16/3-(-16)
16/3 + 16
=64/3
③×1/2
64/3×1/2=32/3

△OCDと△OFDの面積は等しい。
Fのx座標をtとすると、Fはy=-x上にあるから、
F(t,-t)で表せる。あとは方程式にする
①座標クロス
D(ー4、ー8/3)
F( t.      ,    -t      )
    -8/3t  4t
②大きいー小さい
4t-(-8/3t)
=4t+8/3t
=20/3t
③×1/2
20/3t × 1/2
=10/3t

この面積が32/3だから、
10/3t=32/3
    10t=32
         t=16/5
これで、F(16/5 , -16/5)と分かる
あとは△OFGの面積を求めるだけ
BFの式を求める
B( 4 , 4 )F(16/5 , -16/5)
を通る式で、xの増加量は4/5 yの増加量は36/5
yの増加量 ÷ xの増加量で求められる
36/5 ÷ 4/5
=36/5 × 5/4
=9
BFの式はy=9x+bで、B(4,4)を代入
 4=36+b
-b=32
 b=-32
BFはy=9x-32と分かる
Gはy座標が0だから、
   0=9x-32
-9x=-32
 9x=32
   x=32/9
G(32/9 ,0)と分かる 
△OGFは正攻法で求めた方がはやい
底辺×高さ÷2で、
32/9×16/5×1/2=256/45

面積の比は、
32/3 : 256/45
=480/45 : 256/45 45で通分する
=480:256 
=30:16 16で割る
=15:8

別解は後日追記します(座標クロスを知らなくてもなんとか解けるやり方です)

問5 確率

似た問題がだいぶ前の過去問気あった気が…
今回は操作が複雑ではないからいつもと比べたら解きやすいかもしれない。
ごり押しでやるなら追検査のほうが理解はしやすい

(ア)(イ)確率

総当たり表を埋めていく
a=1のとき全てひっくり返す
a=2のとき1以外をひっくり返す
a=3のとき1、2以外をひっくり返す
a=4のとき1、2、3以外をひっくり返す
a=5のとき1、2、3、4以外をひっくり返す
a=6のとき1、2、3、4、5以外をひっくり返す

b=1のとき全てひっくり返す
b=2のとき2、4、6、8をひっくり返す
b=3のとき3、6、9をひっくり返す
b=4のとき4、8をひっくり返す
b=5のとき5をひっくり返す
b=6のとき6をひっくり返す

これを踏まえれば総当たり表は埋められる
 

(ア)8のときは赤文字の1通り→1/36
(イ)4のときは青文字の11通り→11/36

問6 空間図形

(ア)四角柱の側面積

台形ABCDで切り取って考える
CからBCに垂線CMをひく。
すると、CM=BM=6㎝の正方形ができる
さらに、CM=12-6=6㎝
△CMBは1:2:√3の直角三角形だから、
BC=6√2

四角柱の高さは全て6㎝だから、
(6×6)+(6×6)+(12×6)+(6√2×6)
=36+36+72+36√2
=144+36√2

(イ)三角形の面積

よ…余弦定理…? 三平方の定理だけでも解けるっちゃ解けるけどさすがに計算めんどくさい。けどやるしかない…
ちなみに去年の追検査も空間内の三角形でしたが、去年の問題は三辺の長さを求めるのにだいぶ苦労した感じでした。
だけど今回は三辺の長さが分かってからの忍耐力が試される…

①比から長さを求める
AJ:JB=1:3から、AJ=3cm
CK:KB=1:3からCK=6√2×1/4=3√2/2
IはGHの中点だから、GI=3cm

②IJの長さを求める
IからCDに垂線INを引く。
ADNJは長方形だから、JN=6cm、IN=6cm
△INJは1:1√2の直角三角形だとわかる。
よってIJ=6√2cm

③IKは△INKで三平方をすれば求められるからNKの長さを求める
図のように△CKLを∠L=90°になるように作る

∠CBMは1:1:√2の三角形だから、45°
∠LDKも45°になるから、△ICKは1:1:√2の直角三角形
さらに、斜辺のCKが3√2/2だから、CL、KLは
√2:1=3√2/2:x
√2x=3√2/2
x=3√2/2√2  √2で約分
x=3/2

NLは3+3/2=9/2
△NKLで三平方の定理より、
NK²=(3/2)²+(9/2)²
NK²=9/4 + 81/4
NK²=90/4
NK=3√10/2

△INKで三平方の定理より
IK²=6²+(3√10/2)²
IK²=36+45/2 90/4を約分して45/2
IK²=117/2
IK=3√13/√2
IK=3√26/2

④JKを求める
KからABに垂線KPを下ろす。
△KPBと△CMBでみると、相似ピラミッドになっている。
相似比は3:4だから、CM:KP=4:3になるから
6:x=4:3
 4x=18
  x=9/2

MB:MPは4:(4-3)=4:1になり
6:x=4:1
   4x=6
       x=3/2
JPは6+3/2=9/2
これで△JLKは1:1:√2の直角三角形だとわかる
これでJK=9√2/2

⑤三角形の高さを求める
△IJKでIからJKに垂線IQを引く。
JQ=xとすると、高さに関する方程式が作れる
(6√2)²-x²=(3√26/2)²-(9√2/2-x)²
72-x²=117/2-(81/2-9√2x-x²)  展開する
72=117/2-81/2+9√2x  ()を外す
72=18+9√2x    
54=9√2x
x=54/9√2  約分する
x=6/√2
x=3√2

高さは、△IJQで三平方の定理で
IQ²=(6√2)²-(3√2)²
IQ² =72-18
IQ² =54
  IQ=3√6

三角形の面積は
9√2/2 × 3√6 × 1/2=27√3/2

別解は後日追記します(求める三角形の高さを直接出す方法です)

(これで、解説は終わりです)


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