【薬理】バイオアベイラビティーの考え方

116C-86  バイオアベイラビティーの計算問題

バイオアベイラビリティの計算について、説明していきますね。


まず、同じ薬を「静脈に直接注射した場合」「飲み薬として服用した場合」で、体内での働き方が大きく変わってきます。

これを数値で表したものが血中濃度-時間曲線下面積(AUC)です。

ここで重要なのが「バイオアベイラビリティ」という概念です。
これは、投与した薬が実際に血液中に入って効果を発揮できる割合のことです。

静脈注射の場合は、薬が直接血液中に入るので、バイオアベイラビリティは100%になります。

一方、飲み薬の場合は、胃や腸で吸収される際に一部が失われたり、肝臓で代謝されたりします。つまり静脈注射のように全てが血液中に入らないわけです。これを「初回通過効果」と呼びます。

バイオアベイラビリティは以下の計算式で求めることができます:

バイオアベイラビリティ(%) = (経口投与時のAUC / 静脈注射時のAUC) × 100

今回の問題では、
・静脈注射したときのAUCが12μg・h/ml
・同じ薬を飲み薬として服用したときのAUCが6μg・h/ml
でした。

先ほどの数値を当てはめると:
6μg・h/ml ÷ 12μg・h/ml × 100 = 50%

つまり、この薬物のバイオアベイラビリティは50%ということになります。

いいなと思ったら応援しよう!