【病理】血管透過性
血管透過性について説明できますか?
今回は、この血管透過性がどうやって浮腫(むくみ)を引き起こすのか説明していきますね。
まず、血管透過性って何なの?
簡単に言うと、血管の壁を通して物質が出入りする能力のことです。普段は、水や栄養分など小さな物質だけを通すフィルターのような役割をしているんです。でも、この能力が高まりすぎると(これを「血管透過性の亢進」と呼びます)、問題が起こってきます。
じゃあ、血管透過性が亢進するとどうなるの?
血管の壁にある小さな隙間が広がってしまうんです。すると、普段は通れないような大きな物質まで血管の外に漏れ出してしまいます。特に問題なのは、血液中のタンパク質が漏れ出すこと。これが浮腫のはじまりなんです。
浮腫はどうやって起こるの?
ここで、ちょっと想像してみてください。
血管の外に漏れ出したタンパク質は、まるで塩のように周りの水分を引き寄せます。(これを「浸透圧」といいます。)タンパク質が増えれば増えるほど、もっと多くの水分が血管の外に引っ張られてしまうんです。
この水分が、私たちの体の中でむくみとなって現れるわけです。足がパンパンに腫れたり、顔がむくんだりするのは、こうして起こるんですね。
どんなときに血管透過性が亢進するの?
いくつか代表的な例を挙げてみましょう。
1. 炎症
体のどこかで炎症が起こると、その周辺の血管透過性が高まります。
2. アレルギー反応
虫刺されなどでも、局所的に血管透過性が亢進します。
3. 敗血症
重症の感染症で、全身の血管透過性が亢進することがあります。
これらの状態では、体が「何か問題が起きている」と感じて、血管を通しやすくしているんです。で、それが逆に浮腫を引き起こしてしまうわけですね。