【放射】情報が渋滞しているけど、実は単純知識な放射の問題。
116C-79 情報が渋滞しているけど、実は単純知識な放射の問題。
この問題、すごく難しい。
選択肢だけみると、放射線治療の外部照射とかの話じゃん!って思いませんか?
だけど、問題文を読むと、
『舌癌に動注化学療法を行う際の確認画像を示す。』
「動注化学療法を行う際の確認画像」…?
で、提示されている画像がこれ。
これで一気に混乱しますよね。
放射線治療の話かと思いきや、その前の確認画像の話をしているわけです。ということは、造影検査だからそもそも画像いらなくないか?
で、正解は造影検査なのでe.のX線になります。
一旦情報を整理していきます。
まず、動注化学療法って何?ってところから。
抗がん剤を、カテーテルを使って直接がんに栄養を送っている動脈に注入する治療法です。局所的にガツンと効かせつつ、全身への副作用は抑えられるっていうメリットがあります。
で、今回は舌がんに対する動注化学療法ですね。写真を見ると、血管が黒く写っています。Googleマップの道路みたいですね。これは血管造影検査の画像です。
血管にヨード造影剤を注入して、X線で撮影することで、血管の様子を詳しく調べることができるんです。
問題のポイントは、この確認画像を撮るのにどんな放射線が使われているか?ということ。選択肢を見ていきましょう。
a. ガンマ線…これは放射性物質から出る電磁波ですね。画像診断には使いますが、血管造影検査では使いません。
〜線がどの放射線治療に使われているか?って混乱しやすいので、以下の画像を確認してください。
画像オレンジの部分です。
以上を踏まえた上で選択肢を見ていきましょう。
b. 重粒子線…これは放射線治療の外部照射法で使われます。画像診断には使いません。
c. ベータ線…これは小線源治療で使われます。画像診断には使われません。
d. アルファ線…これも放射性物質から出る放射線ですが、紙一枚で遮蔽されるほど透過力が弱いので、画像診断には使われません。
e. エックス線…これですね。血管造影検査では、エックス線を使います。造影剤を注入する前と後の画像を撮影し、それをコンピューターで処理することで、造影された血管だけがくっきりと浮かび上がるんです。
つまり、正解はeのエックス線です。
今回の画像では、舌癌に対する処置に関する内容ですから、舌の動脈にフォーカスされています。
解剖学的な内容は重要ですよね。
・外頸動脈の枝が舌動脈
・舌下動脈と顔面動脈のオトガイ下動脈は合流する
など、押さえておきたいポイントは結構ありますので。