【外科】 難しい抜歯の対策法!歯根が隠れた時の手順とポイント
116B-41 難しい抜歯の対策法!歯根が隠れた時の手順とポイント
歯の根っこが歯ぐきの下に隠れちゃってる!そんな時、どうやって抜くの?
今回は、ちょっと難しい抜歯のお話です。
下顎第一大臼歯の根っこが、歯ぐきの下に隠れちゃっているケース。こういう時、どうやって抜いたらいいでしょうか?
まず、覚えておいてほしいのは、この場合、普通の抜歯よりも一手間も二手間も必要になるってことです。
特に、梃子(ヘーベル)という道具を使うために、いくつかの準備が必要になります。
梃子(ヘーベル)の役割はニつ。まず歯冠部の分離。次に歯根部の脱臼。
で、下顎第一大臼歯の根っこが、歯ぐきの下に隠れちゃっているケースにおいて、梃子(ヘーベル)を使うために、いくつかの準備が必要になります。
では、どんな準備が必要なのか、具体的に見ていきましょう。
歯の根っこを分けちゃう(歯根の分割)
下顎の奥歯って、きほん根っこが2本あるんですよね。これを分けることで、抜きやすくなります。フィッシャーバーっていう特殊な器具を使って、根っこを2つに分割します。歯の周りの骨を少し削る(歯根周囲の骨削除)
歯の根っこの周りの骨を少し削ることで、テコを使いやすくなります。また、歯の状態もよく見えるようになりますね。歯ぐきをめくる(粘膜骨膜弁の剥離)
歯ぐきと骨の間の薄い膜(骨膜)をいっしょにめくり上げます。これで歯の根っこの状態がよく見えるようになり、抜歯の操作がしやすくなります。
この1〜3を終えてから、ようやく梃子(ヘーベル)を使って、歯根の脱臼を始めていくわけです。
さて、ここで本題です。
今まで解説していた内容ですね。よって正解は、acd になりますね。
ちなみに、「皮質骨の骨切り」や「Partschの歯肉切開」という方法は、ここでは使いません。
「うわーPartschとWassmund、Pichlerってどうなんだっけ?」って人のために参考画像を添付しておきますね。
一応、解説も入れておきます。(Xからの引用)
Partsch法とWassmund法の違いって何だっけ?
まず、結論から言うと、Partsch法、Wassmund法、Pichler法の主な違いは以下の3点です。
切開線の形状
切開の方向
適応症例
これらの違いを押さPichler法えることで、試験での選択問題や症例問題に対応できるようになります。
国家試験の過去問を見ていると、これらの切開法に関する問題が頻出していることに気づきませんか?
「あぁ、またこの選択肢か」と思いつつも、正確に答えられない…そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
実は、それぞれの切開法の特徴を視覚的にイメージできれば、こうした問題は簡単に解けるようになるんです。
では、それぞれの切開法の特徴と適応について、詳しく見ていきましょう。
Partsch法
特徴:切開線の弧を歯肉縁に向けた半月形の切開
注意点:骨欠損上に切開線が来ないようにする
適応:小~中程度の病変の摘出、歯根端切除術など
理由:骨の治癒を妨げず、術後の歯肉退縮を最小限に抑えられるWassmund法
特徴:病巣が大きくても使用可能な切開法
注意点:歯肉退縮の恐れがあるため、縫合時に注意が必要
適応:大きな嚢胞や腫瘍の摘出など
理由:広い視野が得られ、大きな病変に対応できるPichler法
特徴:切開線の弧を歯肉頬移行部に向けた半月形の切開
ここで、悲しいお知らせですが、
国家試験では、これらの切開法の特徴を問う基本的な問題に加えて、より実践的な問題も出題されることがあるんです。
例えば、「上顎前歯部に大きな根尖性歯周炎がある場合、どの切開法を選択すべきか」といった問題です。
このような問題では、病変の大きさや位置、周囲の健康な組織への影響を考慮して、最適な切開法を一つ選ぶ必要があります。
大きな病変であればWassmund法が適しているかもしれませんし、周囲の健康な組織への影響を最小限に抑えたい場合はPartsch法が良いかもしれません。
重要なのは、それぞれの切開法の特徴と適応を理解し、与えられた症例に最も適した方法を選択する力を身につけることです。これは、単なる暗記ではなく、状況を分析し判断する能力が試されているのです。
このような思考プロセスは、実際の臨床現場でも非常に重要になってきます。ですので、各切開法の特徴をしっかり理解し、様々な症例でどの方法が最適かを考える練習をしておくと良いと思います。
結局のところ、これらの切開法を単に暗記するだけでなく、それぞれの特徴と適応を理解し、症例に応じて適切に選択・組み合わせる力を身につけることが、国家試験突破には不可欠ですね。