【補綴】床の拮抗作用とは何か?舌側鉤腕(拮抗腕)と隣接面板に共通する機能。

116D-63  床の拮抗作用とは何か?

まず問題文を見てみましょう。65歳の女性が「上顎左側臼歯部の欠損で、物が噛みにくい」という主訴で来院しました。診察の結果、上顎部分義歯を作ることになりました。

さて、ここで写真を2枚。
1枚は義歯を作っている途中の写真

もう1枚は完成した義歯の写真です。

この問題のポイントは、写真に示されている2つの部分の機能を理解することです。

上段の矢印は「クラスプの把持腕(拮抗腕)」を指しています。
下段の矢印は「隣接面板」を指しています。

この2つの部分に共通する機能は「把持作用」と「拮抗作用」なんです。
把持作用とは、簡単にいうと義歯が揺れないこと。

拮抗作用とは、着脱時に支台歯に伝わる側方圧を相殺すること。(着脱の誘導=拮抗として出題されやすい)

ここが難しいところなんですけど、今回の上段の矢印は「クラスプの把持腕(拮抗腕)」を指しています。

で、ここは最近の国試でよく問われています。
しょうがないんですけど、ここは暗記しておくのでいいかなと思います。
舌側鉤腕(拮抗腕の時)は、把持・拮抗・囲繞性を持つって。


で、問題は「矢印で示されている部分に共通する機能は何か」というものです。3つ選ぶ。

選択肢は:
a. 維持の向上
b. 回転の防止
c. 支持の増大
d. 着脱の誘導
e. 横揺れの抑制

では、選択肢を1つずつ見ていきましょう。

× a. 維持の向上
これは「維持腕」の機能です。今回の矢印の部分とは関係ありません。

○ b. 回転の防止
これは「把持作用」の1つです。正解です。

× c. 支持の増大
これは「レスト」の機能です。今回の部分とは違います。

○ d. 着脱の誘導
これは「拮抗作用」の1つです。正解です。

○ e. 横揺れの抑制
これも「把持作用」の1つです。正解です。

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