【解剖】隙の覚え方

隙ができるようになるためのコツは、自分でイラストを描けるようになることです。

「え?私、絵は苦手です」と聞こえてきそうですが シンプルな模式図なので大丈夫です。

まず、 ①下顎骨と舌を描きます。

②そこに顎舌骨筋と顎二腹筋(前腹)を加えます。 これでほぼ完成です。

③ あとは、3つの隙を追加するだけ。

・舌下隙
・顎下隙
・オトガイ下隙

この模式図が、試験中にすぐに描けるようになること。 ここからスタートです。

次に、知識を補足していきます。 それは炎症の波及先についてですね。

前歯部は、舌下隙とオトガイ下隙に炎症が波及しやすいです。 臼歯部は、舌下隙と顎下隙の炎症が波及しやすいです。

こういう知識って文字だけだとイメージしずらいですよね。 ですけど模式図を描いてから補足するようにすると覚えやすいと思います。

では早速過去問を見ていきましょう。

105C-49 顎下腺管が通るのはどれか。1つ選べ。
a.顎下隙
b.舌下隙
c.咽頭後隙
d.翼突下顎隙
e.オトガイ下隙

出典:厚生労働省

「うわ、もう苦手」って感じかもしれません。 落ち着いて、先ほどの模式図を思い出してみてください。 顎下腺管って、唾液が出てくる管のことですよね。 ということは、口腔内に存在しています。 

ここは他の領域でも頻出ですから、下図を確認してください。

c.咽頭後隙 d.翼突下顎隙 については後述しますが、現段階でも模式図が描けるようになっていれば、この2つが顎下線管とは関係がなさそうだということは感覚的に掴めると思います。

それで残りの選択肢を確認すると、 顎舌骨筋よりも下にある隙が a.顎下隙 e.オトガイ下隙 ということになりますよね。

よって、口腔内にあるわけではありません。

消去法的にb.舌下隙が残るようになります。 (こんなまどろっこしい考え方をしなくても模式図が描けるようになっていれば感覚的に解けるとは思いますが)

さて、ここまでが基本編でした。

ここまでで、
・舌下隙
・顎下隙
・オトガイ下隙
についてわかるようになっていると思います。

隙が苦手、という生徒さんが多い理由は、 文字から覚えようとするからです。

たぶんこんな感じじゃないですか?→ 「それぞれの隙を構成する筋肉を列挙し暗記する。」

これだと大変ですし、苦手意識が染み付いてしまい効率が悪くなってしまいます。 こういう内容については、自分でイラストが描けるようになること、が攻略のポイントになります。

隙の基本のきを押さえたところで、次の内容にいきます。

翼突下顎隙とか、咽頭側隙の話がまだしていませんよね。 この辺りについて触れていきます。 やはり、ここもイラストを描けるようにすること。

ここが攻略のコツです。 さっそくイラストの説明をしていきます。

①口腔と下顎枝を描きます。 

②そこに、咬筋と内側翼突筋を加えます。

③あとは以下の3つの隙を加えます。

・咬筋下隙
・翼突下顎隙
・咽頭側隙

ポイントとして、②で加えた筋肉が重要になります。

咬筋の内側にあるものが咬筋下隙。これはわかりやすいですよね。

で、

内側翼突筋と下顎枝の間にあるものが、翼突下顎隙です。

そして内側翼突筋よりさらに内側にあるものが、咽頭側隙です。

実は、この翼突下顎隙と咽頭側隙については、
翼突下顎縫線と絡めて理解すると、より立体的な知識になってきますし、
全部and部分床義歯や歯科麻酔学にも発展して使える知識です。
(この内容については、いずれ別の機会でお話ししようと思います。)

過去にyoutubeで話していますので、興味がある方はこちら
https://youtu.be/e_zbteiH0H4?si=J6CMcXIiaGs942Fw
からご覧ください。

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