だから私は泣くことをとめない。
「アイツ、すぐ泣きやがって。男だろ。」
息子に向けられた夫の言葉に
私はいつも反論した。
『男とか女とか関係なくない?子どもだし、そもそもなんで泣いちゃいけないのかわからない!』
今、これを書いている最中も思い出して‘何か’が込み上げてきて泣きそうになっている。その感情がなぜ湧いてくるのかうまく説明はできない。
どうして泣くのはダメなのか。
そういえば私が小学生くらいの頃は
すぐ泣く子というのは、いじられキャラとして存在していた。
男女問わず存在していたが
男の子ですぐ泣く子は女の子よりも際立ったキャラとしてクラスで位置付けられていたと思う。
夫は息子をそういう対象にしたくないから泣いてはダメだと言っていたのだ。だけど私はそういう時は存分に泣かせ、息子を抱きしめた。
泣くことを我慢すると、胸が苦しくなり心にあるモヤモヤを放出できない。
自らの経験から、そう思っていたからだ。
それには男も女も関係ない。
ギリギリゆとり教育を受けていない私の世代は
ジェンダー教育も積極的に受けていない世代だと思う。
20代後半〜30代前半の楽しいはずの時期、
男らしく、女らしくをギリギリ求められた世代だ。(多分)
私の母が42歳でおばあちゃんになった時、
母の女子高時代からの友人が初めて母になった。
子どもが大好きで私もとても可愛がってくれた人だ。
不妊治療をしていて子どもは諦めていたが
医学が追いついて母になれたと、とても喜んでいた。
母や母の友人たちは孫を育てるように可愛がっていた。
昔は40過ぎてからの子どもは〇〇っ子などと言われていたが
今はそんなことを言う人などいない。
(いるかもしれないが、私はそういう発言をする人は関わりたくない)
時代が、社会がやっと追いついてきた。
LGBTQもやっと認知されだした。まだ全然だけど。
男だから泣いちゃいけないなんてことはない。
人間だから泣いてしまうのだ。
このあいだ、
夫がまた言っていた。
「今の若い子、男のくせにちょっと言ったらすぐ泣くんだけど。どうしたらいいの。」
私はまたこう答えた。
『男だから泣いちゃダメとかないから。あと、泣くことで自分の中の何かを発散してるから泣くなっていうのは言っちゃダメだから。』
泣くという感情は説明できないものが本当に多い。悔しくても泣くし感動しても泣くし、悲しくても泣くし、嬉しくても泣く。
ただ、思いっきり泣いたあとは何だかスッキリしているから
心が何となく変化する。
だから泣いていいのだ。
でも、普段泣かない人の涙はそうじゃない人の何倍も心動かされてしまうのも事実。泣きたい人は泣いていいし、泣いた顔を見せたくないと言う人の我慢を認めるのも今の時代なんだろうなと思う。
涙も多様性。