【第9話】説教はバケツとビンタ
「まっちゃん(僕の姉)、コーローちゃんまた立たされちょるよ」
と、姉の担任の先生が校庭を指差し笑いながら言った。姉が先生の指差す方を見ると僕はバケツを持って校庭の真ん中に立たされていた。と、後になって姉から聞いた。
どうして校庭の真ん中にバケツを持って立たされていたのか、今でも鮮明に覚えている。確か、小学校3年生の時だったと思う。
ある日の遊び時間、全校生徒が校庭で遊んでいる中で、僕は掃除用のバケツを手に持ち、静かにそして堂々とした様子で校庭の真ん中まで歩を進めた。そして何を思ったのか、バケツの中にションベンをしたのだった。遊んでいた生徒たちがどう言う反応をしたのかまでは思い出せないし、そもそも何故僕がこのような行動を取ったのか、今でも分からない。子供心は謎である。当然、すぐに先生に見つかり大目玉をくらう。自分のションベンが入ったバケツを洗わされ、その中に水を満水に入れて持たされ、授業が始まっても僕はたった1人校庭の真ん中で荒業(と言ってもただのバケツ持ち)!その時思ったのは授業よりマシ(反省の色無し)!後に姉から聞いたところによると、僕はしょっちゅう立たされていたらしい。覚えてないけど。
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〜シタール奏者伊藤公朗人生の反省文〜
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