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【第16話】テレビがなかった時代の身近な娯楽といえば

僕が子どもの頃にはまだテレビもなく、当時の娯楽といえば映画とラジオだった。
我が家にテレビが入ったのは僕が小学4~5年生のころだったように思う。
どんな田舎の町、村にも、映画館はあった。当時の映画といえば、ほとんどが時代劇であった。役者さんも、今ほど多くは居なかったので、主人公や脇役はいつも同じ顔ぶれだった。
映画のストーリーは、善人、悪人とはっきり分かれていて、正義の味方が悪い奴を成敗するという内容。最後は富士山をバックに歌も歌いハッピーエンド。シーンが変わるたびに主人公のキラキラの衣装が変わっていた。(いつ着替えたんだろう…?と子供心に思っていた。)切られ役の役者も使いまわしのようで、さっき切られて死んだ人が、いつの間にかまた戦っている。(あれ?あの人さっき死んだ人だ。と不思議に思っていた。)
チャンバラのシーン以外は居眠りしていたように思う。(チャンバラのシーンしか覚えていない。)一度、父がスクーターで隣町の映画館に連れて行ってくれた日の事を思い出した。その日観た映画はやはり時代劇で「切腹」というタイトルだった。(内容は全然覚えていない。)

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