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どうして聾学校の先生になったんですか?

「どうして聾学校の先生になったんですか?」

聾学校で出会う保護者のみなさんや、コーチ仲間からよく聞かれる質問です。
お母さん方からは、「すっごく先生が楽しそうだから、聾学校の先生になりたかった大きな理由があるんだろうなと思って。」と言われます。

私を見ていると、「すっごく聾学校の先生になりたくてなった」と思われるようです。

答えは全く期待外れ!
「たまたまです。」

「将来これをしたい」という思いのない高校生でした。
と、ここから書くとめちゃくちゃ長くなるので、そこはまたの機会にします。
私は大学の教育学部、幼児教育科で学んでいました。幼稚園の先生の免許と小学校の先生の免許が取れます。
大学時代に私がとてつもない魅力を感じたのは、埼玉にある「さくらさくらんぼ保育園」でした。学祭で「アリサ」という映画を見て衝撃を受けました。すごいと思うと実際に見に行きたくなり、大学時代に何度も埼玉に通いました。泊まり込んで実習もしました。

さくらさくらんぼ保育園が好きすぎて、幼稚園や小学校の先生になりたいってあまり思っていませんでした。
一応、採用試験を受けておこうくらいの気持ち。
小学校の先生の枠で受けたのですが(4年制大学を卒業した人の幼稚園の採用枠が少なかったんです)、養護学校で採用になりました。
養護学校(今の特別支援学校)が義務化されて数年後だったので、先生がどんどん必要だったのでしょう。
それもびっくりでしたが、配属される学校が決まるまでの間、養護学校を見学に行ってみました。

ある日、帰宅すると母が「聾学校の校長先生から電話がかかってきたよ」と、「ろうがっこう? 盲学校は見えない子どもたちの学校だから、聾学校はきこえない子どもたちの学校だ」

え!!それこそ、何にも知らない!!

面接で校長先生には「聾学校には幼稚部があるので、幼稚園の先生の免許がある人が欲しかったんです」と言われました。

本当に何にも知らない!
まずはやってみよう。
私と聾学校幼稚部との出会いはそこからです。
自分で選んだのではなく、たまたまです。

周りの先生方には、ほんとうに多大な迷惑をかけ、サポートをしてもらっためちゃくちゃな新人でした。

もしかしたら、違った人生があったかもしれないけど、

「私を聾学校の先生に採用してくれてありがとう!
 幼稚部の先生にしてくれてありがとう!!」

です。



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