シェア
那月
2014年9月26日 09:35
生ぬるいコーヒーを胃に流し込み私は溜息をついた。 もう何杯目だろう。 数えるのも嫌になるが片手では収まりきらないほどの数であることだけは事実だ。 おかわりのコーヒーを持ってくる店員の笑顔に怒気が感じられる。 そりゃそうだ。 もう何時間もコーヒー(おかわり自由)だけで粘られては良い顔をしろという方が無理な話だろう。 でもそれは私のせいではない。私はただ人を待っているだけなの
2014年9月9日 11:18
「今日暇?」 寝起きにかかってきた電話は彼からの物だった。「暇だけどどうしたの?」「良かった……」 その言葉のすぐ後にチャイムが鳴って彼の言葉をかき消した。「ごめん、誰か来たみたい。また後でかけ直すね」 電話を切って、慌てて扉を開けると其処にいたのは、スーツ姿の彼その人だった。「どうしたの!?」「久しぶりに会いたくなってさ、迷惑だった?」「ううん。でも仕事は?」