算数科授業研究「5学年:比べ方を考えよう(1)」
11月9日(木)に5年2組で,13日(月)には1組で,算数科の第3回授業研究会(公開授業)を行いました。
「比べ方を考えよう(1)」(単位量当たりの大きさ)の単元の7時目です。
前時までに、速さの求め方(公式)を学習し、
新幹線はやぶさの時速220kmを求めた子どもたちに、
鳥のハヤブサの降下速度とどちらが速いかという問題を提示します。
ほとんどの子が「新幹線の方が速い!」と予想しました。
提示された条件「3分間で18㎞」から、速さを18÷3=6とすぐに暗算で求めましたが、求めた速さは、分速6㎞であることから、
「単位が違うから比べられない」という課題が出されました。
そこで、単位をそろえる方法を考えました。
この「単位量当たりの」の単元は、つまづきの多い単元です。
理由は、「異種の2量の割合で表す」という関数の考え方です。
条件を理想化し、比例や を前提条件として導き出した数値の意味や量感をつかみにくいことが原因です。
そこで、本時では、異種2量の関係や、時速と分速の関係を見える化するため、「数直線」をツールに考えました。
時速にそろえるか、分速にそろえるか、それぞれの解決の見通しをタブレットで共有しました。
2組は「時速」で求める子と「分速」で求める子がほぼ半々でしたが,1組は,「分速」で求める子が2人だけでした。
それぞれの方法で,自力解決を図ります。
数直線をもとに考える子が多く見られました。
その後、同じ求め方の仲間と、考え方について確認し合います。
数直線をもとに考えた単位換算の方法を説明し、互いの考えを比較検討、整理統合していきます。
適用問題では、秒速から時速への変換問題を通して、秒速⇔分速⇔時速の関係の理解を深めました。
つまづきの多い単元には、理由があります。
適用問題で「立式し解を求める」ことばかりに終始すると、その場の成績(点数)は上がったように見えても、「数学的な見方・考え方」を育むことができません。
この時期に「数学的思考力」を十分に育成しないと、学習が複雑・困難になっていくにつれ、その差が如実かつ明確に現れていきます。
小学校では、子どもの発達段階や思考の流れ、つまづきを正しくとらえ、その確実な理解を図りながら「数学的思考力」を深めていくことが、極めて重要です。
現行 学習指導要領が、中学校数学との連接・系統性に重点を置いているのも、そのためであり、ここでの学習が中学校での関数学習の成否を左右します。
10日(金)の授業後には事後研究会を行い、必要な力を育む授業の在り方を、小グループで協議しました。
最後に、郡山市教育研修センター 学校教育アドバイザーの川前照幸先生より、ご指導をいただきました。
今回は、昨年度まで本校の研究を支えてくださった、同センター 学校教育アドバイザーの古川尚弘先生にもご指導いただきました。
本校では、「子どもの学力」=「教師の指導力」であると考え、指導力向上を目指し、全てのクラスで15回の授業研究を行いました。
そこから見えてきたもの、研究の成果・反省をまとめ、次年度の指導改善につなげていきたいと思います。
これからも「学び続ける教師集団」を目指し、さらなる研究推進に努めてまいります。
1年間、本校の研究にご指導・ご協力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。