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120km歩く

 先日、「せとうちジャーニーウォーク」というイベントに参加しました。尾道から広島市内まで、32時間以内に120kmを完歩するというイベントです。私は仕事の同期Mさんとともに参戦しました。


 7月に74kmしまなみ海道を歩くという練習をしましたが、しんどすぎました。120kmなんて完歩できるとはまったく思えません。そこで、秘策として高級ウォーキングシューズと高級スポーツタイツを新調し、私自身の能力ではなく、テクノロジーの力で完歩する作戦、他力本願作戦を遂行しました。この作戦の遂行には4万円ほどの犠牲が発生してしまいました。


 9月中旬だというのにすごい暑さです。太陽の光のエネルギーがとんでもないです。約1億5000万キロメートルも離れたところから、よくもまあ私のボディをいたぶってくれるものです。ゾンビと化しながら、何も考えずひたすら歩を進めていきます。

 エイドは大体20kmごとにあります。エイドに着くたびに、脚を休めることに全力を尽くします。休むのに全力を尽くすとはわけわかりません。八天堂のクリームパン、もみじまんじゅう、レモンスカッシュ、おにぎり、冷え味噌汁、うどんどれもたまりません。いつも美味しいのですが、1.5倍増しで美味しくなります。


 夜はペースを上げる好機です。太陽がいなくなるだけで、疲労度合いが全然違います。なんとか夜の間に進めるだけ進みたいものです。前日しっかり睡眠をとっていたので、眠気もありませんでした。竹原から呉までなんとか行けました。

 私の心が折れたのは、110km地点ごろです。脚の痛み、太陽放射、Mさんに引っ張っていただいていたペース、全てを放棄したい衝動に駆られました。ひたすら我慢しながら、ゴールを目指します。Mさんは元気です。私を置いていけばもっと順位が上がるはずですが、私を気にしながら少し前をいきます。惨めなり、私。


 ゴールです。達成感よりも解放感が大きいです。もう二度とやることはないでしょう。