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例の政権政治家に「ひょっとこ」の渾名は「もったいない」

                    写真:いずれもWikipediaより

 日本の政権政治家の一人に「ひょっとこ」という渾名の人がいらっしゃいます。

 そこで「ひょっとこ」って何なのか、気になっていたところ、2021年5月15日放映のテレビ番組「日立 世界ふしぎ発見」が、その由来を取り上げていました。
 いうまでもなく、ここでいう「ひょっとこ」は、
 「口をすぼめてまげたような表情の男性、あるいはその面」
 のことです。左右の目の大きさが違っていたり、ほおかぶりをしていたり、します。
 そんなひょっとこは日本の祭礼の舞や踊りに道化役として登場することも少なくありません。

 では、こうした表情は何故、生まれたのでしょうか。そのことを示すのが「ひょっとこの語源」にあるようです。それは、
 「かまどの火を竹筒で吹く『火男(ひおとこ)』がなまったもの」
 なのだそうです。

 それだけではありません。中国山地を中心に古代から近世に発達した「たたら製鉄」にも関係があるようです。
 ここでいう「たたら製鉄」とは、主として砂鉄を原料として、木炭を燃料とする製鉄法です。その際、木炭を高温で燃やすために、足で踏んで空気を送る「たたら」という名の「ふいご」が使われました。これが「たたら製鉄」の由来です。

 ところで、木炭の火で砂鉄を溶かすのですが、品質の良い鉄――それは「玉鋼」と呼ばれてきました――を作るには適切な温度管理が不可欠だったようです。そして、それを担う鍛冶職人は、ひたすら火床の火の色を見て、適切な温度を維持することを求められたのです。
 ところが、燃える炎を見続けると、目に疾患を生じることがあるのだそうです。それが嵩じると失明する危険があったと言います。
 そこで両眼の失明を避けるために、鍛冶職人たちは片目を閉じて火を眺め、その温度管理に努めたのでした。

 とはいえ、現代日本の「ひょっとこ」という渾名の政権政治家が、たたら製鉄の鍛冶職人みたいな大事な仕事をしたことがあるとは到底、思えません。
 さらにまた、この人は、
 「憲法改正論に関して、ナチス政権の『手口を学んだらどうか』」
 などと発言したわけで、とうてい「民主国家の政権政治家」とも思えない人でもあるわけです。

 これらのことを思い出すと、彼を「ひょっとこ」と呼んだりするのは、大事な仕事をこなした往年の鍛冶職人を冒涜することにならないでしょうか。
 5月15日の「日立 ふしぎ発見」を眺めながら、そんなことを思わされた次第です。

 なお、日立金属の安来工場は、たたら製鉄で作られた玉鋼を、現代的な方法で製造しているようです。それは日本刀の素材のほか、宇宙船の先端部分の素材としても重宝されているという話を耳にしたこともあります。

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