大谷翔平さんが受けたという「人工靱帯を用いたトミー・ジョン手術」が「ドーピングにならない理由」を教えてもらえませんか?
写真:左=大谷翔平、右=トミー・ジョン(いずれもWikipediaより)
野球界における昨今の大谷翔平さんの人気はすごいですね。とくに彼の結婚を契機に、その人気は一層の高まりを見せているようです。
ところで昨年秋、彼は投手の生命線とでもいうべき右手の肘に「トミー・ジョン手術」を受けました。この手術はフランク・ジョーブという整形外科医によって考案され、1974年9月25日に世界で初めてこの手術を受けた投手のトミー・ジョンにちなんでこう呼ばれている「肘の腱や靱帯の損傷・断裂を修復する手術」なのだそうです。
ところで大谷翔平さんの場合は、彼自身の他の場所の靱帯に加えて「人工靱帯」が用いられたのだそうです。
そんな話を耳にして、ふと、
「それってドーピング(doping)にならないのかなあ」
という疑問を呼び起こされました。
というのも、ここでいう「人工靱帯」とは「超高分子量ポリエチレン」という化学物質で作られたものだからです。
そこで「ドーピング(doping)」の定義にもどると、それは、
「スポーツの競技で成績を良くするため、運動能力・筋力の向上や神経の大きな興奮などを目的として、薬物を使用したり、物理的方法を採ったりすること、及びそれらを隠蔽する行為を指す」
だと定義されています。
それに、運動選手が自身の血液をあらかじめ採血して保存しておき、大会前に自己の体内に戻すことで赤血球量を増やし、パフォーマンスを向上させる行為ですら「自己輸血ドーピング」として禁じられているようですから。
まあ、大谷翔平さんは、この手術を受けたことを「隠蔽」しているわけではないのですが、陸上や氷上などのスポーツ選手の場合、しばしばドーピングで消えていく選手が多いので何となく気になったという次第です。
「大谷翔平さんの『超高分子ポリエチレン製の人口靱帯を用いたトミー・ジョン手術はドーピングではない』」
ということを、どなたか納得しやすいように説明していただけないものでしょうか。