女は恐ろしい。
女は恐ろしい。
ご存知だろうか、人気漫画、ゴールデンカムイに出てくる、二瓶鉄造の台詞である。このゴールデンカムイがめっちゃ面白いんですよ!魅力は……と、言うのは話の本題から逸れるので割愛する。
で、女は恐ろしいという話である。
土曜日の夕方、家人と詰まらない事で口喧嘩をした。原因は、本当に詰まらない事なので伏せておく。
結果、家人は自分の部屋に引きこもり、出で来やしないので、私は娘と軽く夕飯を食べ、(昼を食べ過ぎたので、夜はそんなに要らなかった)たわいもない話をして、風呂に入って寝た。
私が寝た後で、家人も風呂に入って寝たのだろう。気配はした。
しかし、翌朝9時、起きたら家人は居なかった。
家出か?と言いたいところだが、そうではない。明日に迫った難関(らしい)試験の勉強をしに、このご時世なのにカフェに行ったのだろう。
だが、メールの一本も寄越さないので、少々むっとした。
なので、ポケモン大好きな娘と、東京駅のポケモンショップに行き、その後大丸の千疋屋でお茶をすると言う完ぺきな計画を立てた。
ポケモンショップは、コロナと言うのに大変に賑わっており、娘はぬいぐるみやグッズを買ってご満悦であった。
私は、久々のデパートで、ゆっくり洋服を見て、大変満足した。
仕上げに、千疋屋である。
大体、千疋屋の果物はどうしてあんなに美味いのか。……いや、脱線するので止めておこう。
二人で、美味い美味いと極上のスイーツを食べ、ふと私は思った。
流石に家人に悪いかな、と。
と、言うのも、一月前の私の誕生日、家人は私に、千疋屋のケーキとゼリーを買って来てくれたのだ。(勿論、家族分)
「ね、パパに悪いかな?」
私は、ワッフルを切るのに苦戦している娘に聞いた。全般的に父親似の娘は、事もなげに答えた。
「黙っていれば良いじゃない」
そして、夜。
家人は何も知らずにのこのこと帰って来た。私の機嫌が直っているのを敏感に察知したのか、リビングで夕食なぞ食べている。
で、娘である。
ひとっことも漏らさないのである。
千疋屋のせの字どころか、ポケモンショップの事も、今日のお出かけの事も。
新しく買った、何とかと言うポケモンのぬいぐるみを抱いて、平然と父親の隣でカツを食べている。
女は恐ろしい。
私は、慄然としながら味噌汁を飲む。
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