見出し画像

私、失敗しないので

なぜならば、

失敗してしまいそうな手術には一切手をつけないから

ちょっとでもムリそうなのは「紹介状」
大学病院に送るから、
私は手術しないからです。

チキンですか?
それで結構。

ウデが悪いやつほど自分でなんでもかんでもやろうとする。
「失敗例」尻拭いを何度もしてきました。


私はそうは、なりません。


私の勤め先は「町医者」
しかも、院長(責任者)じゃない。
院長に雇っていただいている身です。

人が経営している町医者で、
冒険してる場合じゃないんでね。
失敗しない、安全パイな案件しか、受けません。

「手術に手をつけない」のは
私の技術的な問題だけではありません。

一つは、施設や設備の問題。
うちのクリニックには酸素ボンベがない。
たまに歯医者さんで、死ぬでしょ?
ウチでも、局部麻酔でショック起こされたら、ジ・エンドです。

もう一つは患者さんとの信頼関係。
自分がやれるだろうと思った手術に関しては絶対の自信と確信を持ってお話するので、
だいたいそこで話はまとまりますが、
それでも自分に対して懐疑的な方だったり、
やたら大学で手術することにこだわってたり、
どうもクレーマーになりそうな要素があったり、
その他、私が「コイツとはムリだ」
感じたら即、紹介状です。

この辺りを短時間で見極め、
「やるのか」「やらないのか」
1日6時間の勤務時間で患者さんが120〜150人くらいいらっしゃる、外来の時間内に即決しています。

「めんどくさそー」
「これは手をつけたくないわ」

感じたら即、紹介状。

だから手術で失敗は、しません。


手術での「挑戦」は大学病院で、
血気盛んな若い医者が、指導医のもと、すればいいんです。

手間取ることがあるにせよ、
指導医クラスにはそこまで含めて想定内なので、
適当なとこでアシストか、止めに入るなりします。

あ、なので、
簡単な手術を、
ベテランの医者に、上手に短時間でやってもらおうと思ったら、
大学病院には、行っちゃダメですよw

大学病院で、私と同等あるいはそれ以上のキャリアや腕のある医師が、日帰りの、簡単な手術に自ら手をつけることは、まずありません。

お偉いさんやスゴ腕の医師がそのテの手術に手をつけるのは、大学病院ではなく、
ネームバリューはなんてことない、小さな施設やクリニック。

大学から「お小遣い稼ぎ」で出張する、アルバイト先の、なんてことない施設で、
場合によってはそこまで大々的に身分を明かさず、です。

大学でホクロ取りなどの小手術をするのは、
医局に入りたてだったり、これから専門医を目指している若手の医師であり、
私はあくまでそれを指導する立場。

彼らが手術に若干手間取ろうが、ちょっと技術面に劣る部分があったとしても、
致命的なミスでもない限り、手は出しません。

なので、大学病院で、特に命に直接関わらない手術をご希望されるのであれば、
小さい病院より施設や体制がよほど整っているわけですので、
それと引き換えに、
ぜひ、彼ら若手医師の成長に、手を貸していただくことへのご理解を、よろしくお願いいたします。

そういう「学び」のもと、今の私がいるわけですので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?