我が家のBCP Part II 最終的にはこうなりました
前回のnote記事では、我が家の電力供給に関するBCP について考えてみました。
これを考えた上で、市の広報のプランに応募してみました。
市の広報のプランに応募した
市の広報プランでは、まだ太陽光発電のパネルを設置していない家屋を主な対象としておりパネルを設置している家屋については蓄電池の斡旋 をしていました。
前回の記事にも書いたように、蓄電池の容量は2種類を用意していました。
容量としては前の記事のように9.8KWhか6.5KWh でした。
うちの電力需要を考えるとそれほどの容量ではないように見えます が、災害の場合はかなり電気を使わない方向で利用することになるでしょうからまあ、これで良しとしなければならないと思いました。(実際に電気の容量がどれぐらいで十分かという肌感覚がなかったのです )
大きな容量のものを使うと、災害時に出力するコンセントを限定しない、という設定にも出来る ようです。これは便利そうです。
あとちょっとした心配が。供給電圧は100Vのみで200Vの供給は出来ない ようです。
我が家のエアコンは少し大きめの部屋は200Vでエアコンに電力を供給しています。これらは災害時は使えない (みんなの集まる部屋にもかかわらず)ということになります。
いろいろと悩ましいことがあるなあ、と思いながら、実際に自宅に訪問して見積もりの詳細を出してくれる、ということなのでそれを待ちました。
実際に自宅を見に来て見積もりを出してくれた
しばらくすると電子メールで連絡が来て、見積もりの日時を決定しました。
実際の自宅での見積もりまでに、何回か会社の方からはメールが来て、概要の動画などを提供 してくれました。
システマチックではありましたがなるべく不安のないように、ということを気にしてくれているな、というのが十分分かりました。
見積もりの実際
さて、某日、我が家に業者が来て実際に家を見て見積もりを行ってくれました。
我が家の場合は太陽光発電がついているのでそれをコントロールするパワーコンディショナという機械を外壁につるしてあるのですが、蓄電池を装備する場合はこちらにもパワーコンディショナが必要 とのことで、現存の太陽光発電のパワーコンディショナと連携をする必要がある ようです。つまり外壁に2つのパワーコンディショナをつけることになる とのこと。
あまりにも不細工 なので、一つにしようと考えました。その場合は、現在のパワーコンディショナを取り外して両方に対応しているパワーコンディショナをつける、ということです。このようなものの大きさ、というのはだいたい決まっていて取り外したときにまだ外壁についているマウントを使えると思っていたのですが、あに図らんやそれは無理とのこと。
パワーコンディショナを連携するにも代えてしまうにも外壁の工事が必要 のようです。
我が家は、まだ築3年で外壁の補償が築後30年まで続きます 。このような修飾をした場合に、補償関係はどのようになるかを聴いた上で、判断 をしようと考えました。
見積もりを行ってくれた業者の方曰く、おそらく外壁の補償は今回のような修飾をしたところについては除外になる とのこと。
それがネックで取り付けを断念する方も結構いる との情報を得ました。
後日見積もりのメールが来ました。
大容量の方で170万円程度、低容量のもので140万円程度 とのことでした。
思ったより高価だな、と感じました。
ハウスメーカーにプランのことを話してみた
上記の見積もりを受けたことをハウスメーカーに話してみました。
ハウスメーカーによると、その工事が起因すると考える瑕疵については保証の対象外 、とのことでした。
けど新築後いじってしまうとやはり他のところに瑕疵が出てきてもそこが原因と判断されてしまう可能性が出てきます(あくまでも瑕疵の判断はハウスメーカーがするわけですから)。そして外壁はこだわって選んだものなのでそのようなトラブルは避けたいな と思いました。
さらに、今回のキャンペーンの概要をおはなしし、それに匹敵するようなプランをハウスメーカーが持っているかどうかをたずねてみることにしました。
担当の方は以下のものを知っていると情報を下さいました。
スマートエルライン
すすめてくれたのはスマートエルライン、というものです。
システムとしては、太陽光発電と蓄電池(ポータブル電源含む)もしくはハイブリッド車や電気自動車を電源とした非常用電源システム です。
太陽光発電、蓄電池のどちらを優先するかとかもコントロールできますし、平常時は太陽光発電で発電した電力を蓄電池や電気自動車の充電にも利用できるものみたいです。
我が家は前述のようにハイブリッド車を使っているのでこれはいければ良いな、と思われました。
担当の方曰く今回のキャンペーンよりは安くつく とのことでしたので、実際にハウスメーカーのリフォーム部門にお願いして施工可能かどうかを聴いてみる ことにしました。
もちろんハウスメーカーのリフォーム部門以外にお願いすることも十分可能だったのですが、外壁の修飾を伴う可能性があったのでハウスメーカーのリフォーム部門におたずねすることにしました。
その上、出来れば外壁をいじらずに施工できるかどうかも合わせて聴いていただく ことにしました。
実際に施行できるか
ご返事をいただけるまでだいぶと時間がかかりました。
おそらく施工には70万円ぐらいかかる とのことでした。
そして見えないところの配線の変更にかなり大がかりな工事が必要なこと、そして外壁をいじる必要がかなりある とのことでした。
さらにここまでの改修になるとハウスメーカーのリフォーム部門では担えない可能性が高い とのことでした。
この上にポータブル電源を購入すると(電源は含まれていないため)、100万円を超える出費 になります。もちろん蓄電池(ポータブル電源)の交換は非常に簡単で容量の変更も交換で対応できるので便利は便利なのですが、担当の方はあまりおすすめしない とのことでした。
どれもなかなか決め手がありませんが、BCPとして何らかの電力確保をしたいなと考えていましたので、ここで決断が必要になりました。
結局落ち着いたのは
家内とも相談をしてみたのですが、今回は太陽光発電との連携を考えるのは断念 しました。
そのうちに良いものが出てくる可能性があるだろうし、外壁の修飾を加味してもそれ以上に魅力的なものが出てくる可能性があるのでそれを期待しよう ということにしました。
個人的には全固体充電池 にかなり注目しており、これであれば容積あたりのエネルギー蓄積量が飛躍的に上がりますし、バッテリの不具合も現在のものより格段に出にくくなる、とのことですのでこれが実用化されある程度値段がこなれればそのときが買い時 かな、という話になりました。
そうなれば、後はポータブル電源を購入するのが選択肢 になりました。
ポータブル電源をネットでいろいろと調べてみました。
できるだけ容量が大きく、そして値段もこなれているものをという方向で考えました。
容量はだいたいのメーカーでマックスになっている2KWhを目安 に探しました。
デザインや充電能力も含め家内が特に気に入ったのはJackery 2000 Pro でした。
こちらは定価は30万円ほどですが、たまたま本腰で購入しようというときに、セールが開催されており実際は199,500円で購入 することが出来ました。
かなり良い買い物だったと考えます。
実際に使ってみて
アマゾンで発注したのですが数日で我が家に届きました。
かなり重い です(20キロ程度)。
なんとか梱包を解き、あらかじめ相談していた設置場所(ダイニングテーブルの下)に設置しました。
開梱当時は14%しか充電されていなかったので、すぐに充電を始めました。
壁のコンセントからの充電と車のシガーソケットから、そして専用の太陽光発電パネルの充電に対応していますが、自宅での充電ですのでコンセントからの充電を始めました。
最初はそれほどの充電スピードではなかったのですが本体が少し暖まって調子が出てからは1.5kwの電力量で充電が始まりました。満充電までは2時間ぐらい でした。これだけの容量のバッテリを充電するのに2時間程度、というのはかなりパフォーマンスが高いと感じました。
さらに、2,200wまでの出力が可能 ですので(コンセント一つに対しては1,500wが限界ですので3つあるコンセントを合わせての値です)、電子レンジや炊飯器を利用することも出来ます 。
また、USB-AとUSB-Cの充電口も2つ ずつありました。USB-Aについては携帯用のも買バッテリなどで有名なAnkerでも採用されているQC(QUick Charge) 3に対応しており、スマホなども高速で充電できます。USB-CについてはPD(Power Delivery)対応で60wまでいけます。ですので最近のコンピュータもかなりの速度で充電できるようです。
昼間に家内が掃除機を接続して使っているのですが、それほどの容量を消費することなくコンセントがさしやすいところになった 、とのことで好評でした。
1週間で約半分ぐらいの電力消費量 です。
しっかりと放電してしまうのも手ですが、BCPを目的に購入しているのでできるだけ充電容量は確保しておきたい ところ。40~50%前後になれば、太陽光発電をしているときにコンセントから充電する ことにしました。これならただで充電できていることになりますからね。
まとめ
今回我が家の電力供給に関わるBCPを考え、様々な選択肢を考慮に入れた上で、最終的には大容量のポータブル電源を購入しました。
太陽光発電を採用している家屋については太陽光発電システムの上に蓄電池のシステムを実装するというのは思いのほか複雑なことが多いようです。蓄電池を実装するのはそれなりの蓄電池が出てきたとき(個人的には全固体充電池が実用化され値段がこなれてきたときだと思います)に考えるのが良さそうです。
これから太陽光発電も蓄電池も実装する場合、もしくは新築する場合は、パワーコンディショナを太陽光発電と蓄電池の両方に対応しているものを採用しておいた上で、蓄電池の配線をしておき(これは屋外でも屋内でも出来るはずです)、それなりの蓄電池が出てきた場合、実装するのが良いのではないかと考えました。
ポータブル電源は2KWhのものを採用しました。当初は容量の不足を危惧しましたが、容量の不足はほぼ感じません。意外に忘れがちなのですが、充電にかかる時間が短いものの方が最終的には小回りがきくのではないかと思われました。
今回はいろいろと理屈をこねながら、少し時間をかけながら決断 をしてみました。
せき立てられるように決断するよりは質の高い決断が出来たのではないか と考えています。
今後もできる限りしっかりと理屈をこねながら出来る範囲でしっかりと時間をかけていろいろな決断をしていこうと考えた出来事でした。
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