補充券の0の字切符で旅行してみた (1)
想像地図の人は、2021年11月12日から14日の3日間、長野・東京・千葉・神奈川を目的地とする旅行に行っていた。
0の字切符とは
JRの切符って、同じ所を2回通過しない経路だったらどんな経路の切符でも購入できるんですよね。意外にこれ知られてない。という冗句はさておき、JRの切符は「(1)同じ駅を2回通過しない (2)一度通った線路を2回通らない」という条件を満たしていれば、どのような経路の片道切符でも購入することができる。そのため、「東京→新大阪」という一本道の片道切符の他に、「福井から北陸本線と東海道本線で名古屋を経由して東京へ、東京から北陸新幹線で金沢へ、金沢から福井まで北陸本線で」という「福井→福井」という片道切符も購入できる。
このように、発駅と着駅が同じで、最終的に出発地に戻ってくる片道切符なので、「0の字切符」と呼ぶことがある。JRの切符は100kmを越えていたら原則として途中下車が何度でもできる。そして距離が長くなるほど1kmあたりの運賃が安くなる。そのため、目的地が分散していて、それらを一筆書きで結べるようなルートがあるなら、乗る区間毎に分けて購入するのではなく、1枚の切符として購入した方が全体の運賃が安くなる。
18きっぷとは違って「普通のきっぷ」なので買える時期に制限がなく、特急に乗る区間はその区間だけ特急券を買えば良いのである。
まず切符を購入
先に例として挙げた「福井→福井(北陸本線,東海道新幹線,北陸新幹線,北陸本線)」のような事例だと、経路が比較的簡単なので、みどりの窓口で発行を依頼すればすぐに購入できるだろう。しかし、複雑な経路の場合、「補充券」と呼ばれる手書きのきっぷになるため、発行を依頼してから切符が仕上がるまでに数時間~数日を要する場合がある。
想像地図の人は、以下のような経路の切符を購入することにしたが、発行には4時間ほどかかった。
「京都市内→京都市内」(経路:湖西 [近江塩津] 北陸 [金沢] 北陸新幹線 [上越妙高] えちごトキめき鉄道妙高はねうま [直江津] 信越 [宮内] 上越 [越後川口] 飯山線 [飯山] 北陸新幹線 [高崎] 上越新幹線 [大宮] 東北 [赤羽] 赤羽 [池袋] 山手 [代々木] 中東 [御茶ノ水] 総武2 [錦糸町] 総武 [成東] 東金線 [大網] 外房 [安房鴨川] 内房 [蘇我] 京葉 [東京] 東海道 [東神奈川] 横浜線 [新横浜] 新幹線)
※画像は一部を加工しています。
(注) この切符の経路は70条特定区間を2回通過する。通常は70条特定区間を通過する場合、区間内の最短経路によって運賃が計算されることが原則だが、70条特定区間を2回以上通過する場合は、例外として経路通りの計算が可能になる(基準規程第109条)。このルールがあることによって、70条特定区間内を2回通過する場合であっても、経路がぶつからずに0の字きっぷが発券できる。
第1日(2021/11/12)
補充券は手書きの切符なので、自動改札は通過できない。普段なら自動改札を利用している駅でも、入場に少し手間取ってしまう。
京都駅から6:59始発のサンダーバード1号で金沢へ。
金沢からは北陸新幹線としらゆきで長岡へ。切符の経路は、信越本線と上越線を経由している。両者の接続駅は厳密には長岡ではなく1つ隣の宮内なので、長岡で途中下車するために車内で宮内→長岡の往復乗車券を購入し、途中下車して昼食。
※青色の矢印が切符の経路。分岐駅通過の特例があるため、長岡で途中下車しない場合は経路外となる宮内-長岡の往復運賃は不要だが、途中下車する場合は往復運賃が必要となる。
昼食を終えたら上越線で越後川口へ。そこから飯山線の戸狩野沢温泉ゆきに乗る。
駅名替え歌でおなじみの下条駅には「茅葺きの塔」が立っている。
十日町駅。ほくほく線の時刻表と並べられると飯山線の本数の少なさが際立つ。
どこかとなりのトトロを連想する風景。越後田沢-越後鹿渡間(背面展望)。
標識がある位置が新潟県と長野県の県境(背面展望)。手前が長野県。
長野県に入って最初の駅が「森宮野原」駅。
この駅名は、「森宮・野原」ではなくて、「森・宮野原」が正しい切り分けである。どこか「ドン・キホーテ」(ドンキ・ホーテではない)を連想させなくもない(?)
戸狩野沢温泉駅で長野ゆきに乗り換え。
豊野駅からはしなの鉄道に直通する。なお、乗車券の経路としては飯山から長野の間は北陸新幹線経由となっている(これはしなの鉄道の通過連絡運輸となる長距離切符が発行できないため)が、「飯山→豊野→長野」の切符を買い足すことでこの区間に乗車している。
16:49に予定通りに長野に到着。長野県内在住のフォロワーさん2人と会ったあと、この日は長野市内に宿泊した。
第2部へ続く