顔の真ん中
顔の真ん中は変わらないんだな。と思うことがあった。
先日、大学生の息子の部屋に泊まった。
先に目が覚めて、布団にくるまっている子供を見たときに、そこにあったのは小学生時分の懐かしい顔だった。
顔まわりを布団で覆われて、顔の中心だけがひょこっと覗いているほっかむり状態。ここ半年、顎がしっかりしてきたのか、顔変わってきてる?と思っていたので、変わらない部分があったことに驚く。
まだ10代ということもあり、あどけなさ満載。
しかも、細身かつマサイの戦士のようなしなやかな体系なので、オス感は強くない。ゴツくないのだ。それでも、変わっていく雰囲気。人って顔周りが変わるだけでこんなに印象が変わるんだなと、輪郭の影響について旦那さんと話したばかりだったのだ。
確かに、輪郭にさえ気をつけていれば、加齢に抗うことは可能だ。
ある程度の年齢に達すると、これを心底実感する。それに引き換え、あまり変化がないものがある。目鼻口のバランスだ。幼少期から同じ比率のまま成長している?のか。しかも、この三点には肉が付かない。
真ん中は面影を残したまま、周りだけが角張ったり、タプタプしたり、弛んだりしているだけなのだ。
というわけで、私も指で輪っかを作り、鏡の前に立ってみた。
自分の顔に当ててみるも、よくわからない。??状態。
そこではたと気付く。人の印象は他人の中にしか残らないのだと。
写真や映像は切り取りでしかない。癖、表情、ふとした仕草。ましてや、成長過程など本人には見えない。結局は、実家の親だけが知ることであった。
面影は顔周りにあらず、真ん中だけにあり。
既に余計な情報が体に付着しすぎて、純粋な判定をしてもらえるか、いささか不安ではあるが…はて?どうだろう。懐かしんでもらえるか、よーわからんで終わるか。ちょっと楽しみだ。
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