気持ちの揺らぎ
先日、会社の上司から商店街の抽選券を貰った。
うちの近くの商店街で手にしたそうだ。抽選のために、再度足を運ぶ気にはならないが、勿体無いのでどうぞ。とのことだった。
ホットプレートが当たるかも!?
と銘打っていたので、ちょっと引かれる。うちにはホットプレートがない。
あったらいいかもと思いつつ、購買行動へ結びつくほどでもない。あればなんだか楽しそうだなとは思うので、当たれば暖かく迎えるつもりだ。
抽選は平日18時までとのことなので、土曜の休日に照準を合わせることにする。
朝イチで美容院へ行き、食材を買い込み、いざ抽選会場へ。ホットプレートを持ったまま、買い物に行くのは、随分と面倒なので、先に済ませるものは済ませる。一連の流れは、当たるのを想定したものだ。
抽選会場は呉服のメンテナンスも取り扱うような、ご年配向けの洋服屋さん。
受付の人に券を渡し、ガラポンへ向かう。
ちょっと待って下さい。お祈りしますね。
お祈り?何なに? 私のために?抽選でお祈り?初めてなんだが…店員さん2人の行動に気持ちが揺らぐ。しかも祈り方が雑ではなく、立ったままのアーメン体制。指を組み、両肘がつかんばかりなのだ。
私は完全に動揺した。うちへホットプレートを迎えるべく、平常心で挑んだ結果、店員さんに心乱されるとは。
そして、重量を全く感じることのない、ほぼ空気のようなお煎餅を頂き、家へ帰る。絶対作戦だろ?と思わずにはいられない戦利品を手にしたのだった。