6月30日 3日目、いつもの店
まず、いつも通りシェフと起き、店に向かう。
今日はドリンクについて覚える。
途中から捌けなくなっていくのがわかった。
ドリンクは慣れていないからたどたどしてる間に人が増えていき、待たせる。そして満足度が減っていく感覚がわかる。
シェフにカバーしてもらっているのもわかる。
最初だからしょうがないとは思うが、迷惑をかける感触と、お客の満足度が自分と直結しているのがわかって、しかも今はマイナス方面、0持ち点の減点方式での採点になっているのがとても気持ち悪い。
終わった後の疲れが凄いし出来なかったこともやるせないし、シェフは言いたいことあるんだろうけど、息子だからまあ、一応体裁は整えておいてやろうというのが伝わる。
はっはっは、生きてるみたい。
後店の味誉められると嬉しいな。何もしてないけど。
それでも毎朝店に行く前に緊張で吐き気がする。
終わった後、今日はまかないの写真を撮ってインスタに上げろ、とシェフ。
なるべくお洒落に撮れ。やってみろ。
ほふん。
本日の写真は店のメインメニュー、クラフトディップ。
店の備え付けのライトを近づけることでソースが熔けていく。
それをパンにつけたり、オムレツにつけたり。
ライトで熔けていくというのが見所なので、とりあえず照明はそれを使う。外は雨が上がったすぐ後の暗めの曇り空。
風情ある写真は撮れそう。
と、ライト当てて構図を迷っている間に熔けきったディップ。うーんこの。
まあ個人的に、どのような写真がとりたかったのかというと。
私はこの皿が冒険、探検に見えたのだ。だから今見えてる道。外は暗いけど明かりは灯ってる。少し楽しそうな道。
浅いなコイツ。
シェフ「人生と一緒すね」
あっはっは。
うーむ、写真下手じゃな俺。
これも練習。
いや、やっぱり上手いんだよなこの店。キーマカレーオムレツもそうなんだけど。
これはメインメニューというだけあって、シェフの顔が見えるというか、世界が見える。
気を使ってる、こだわっている。こう食べてもらいたいが伝わる。
んで、体験型の料理。自分で選ぶ余地がある。
5種類のパン、5種類のソース、加えてオムレツ。
とりあえずパンとオムレツに一通りずつ、食べた。
ソースの内訳説明受けたけど頭に入らない。
豚のルセット しょっぱめ、美味しい
海苔 しょっぱめ、美味しい
イチゴみたいなの 甘い、美味しい。
黒ごまきな粉 甘い、美味しい。
群青 甘い、不思議な味、美味しい。絵画からモチーフ。確かに色合いはそうだし、味もそうなのだろう。
旨そうに伝えるのが下手。
本当に自分で選んだ道を進む冒険みたいだった。
そして絵画を描くような。
ディップをスプーンに乗せ、パンに塗ったり、オムレツに乗せたり。
ペイントナイフとか、絵筆に絵の具をのせて、絵を描いているみたいだった。
選べるログインボーナス。
メインメニューっていうだけあるな。
うーむ!意識が高いよ...。場違い感!
終わった後の探索パート。
とりあえず日本一大きなデパートが新宿の伊勢丹らしい。何か買えるやろ。高級デパートで場違いとは言え。
まあまあ遠い。ナビの案内では自転車で30分位。
小雨だし行けるやろ。
道が死ぬほど混んでた。
月末、金曜日、ボーナス。3つなんだろうな。
チャリ漕げないよ、人を牽く。
歩いたりしつつ、まあまあ急な坂を上ったりしつつ、靖国神社寄ってお参りしつつ。
着く頃には6時。
一回、化粧品、小物。場違いだな、上行くか。
婦人服、ブランド。綺麗な案内員さん。ベテランぽい喋り上手そうなおばさま。
間違えました。失礼します。
地下一階はお土産、美味しそうなもの一杯。
スーパーもあるのか、喉乾いたのでオレンジジュースと、牛乳を買う。
うーんうまい。
さて、帰るか。
そして、目につく無印良品。
結局無印良品に落ち着く。うーん小心者に田舎者。好きだぞ私。
洗濯ネット、座布団、風呂のからだ洗うモファモファ。ウエストポーチ。
まだ買いきれてないけどな。もう疲れた帰りたい。
と、帰る途中残り15分で閉まるコーヒーショップで、ホットドッグ買って急いで食べて。
注文するとき
「店内ですか?あー、ホットドッグ作るのに時間かかるんですよねー。」
嫌だよな、ごめんよ...わかるよ...
でも外が雨の中食べたくない。んで、急いで食べた。
家帰り、荷物置いて、コンタクト疲れたから外し、エナドリ買いにコンビニへ。
その時22時シェフからラインが届く。
「片付け疲れてなかったら手伝って」
行きますか。
大量の皿、昼の比較にはならない。
まだお客さんもいる。
浴衣の、羽振り良さそうな人生仕事からもう離れて金に困ってないような格調高いおじさんも。
出歩いてたTシャツのまま、皿を洗っていく。
シェフはその羽振り良さそうなひとと、自分の店の良いとこについて語っていく。体感した中身のつまったストーリーを。
おじさんも食い付いている。すげぇなシェフ。
「うちの店かわいいスタッフもいたんすよ。でも、『皿が汚れる』つって辞めさせました。」
なんだこいつ。
お相手には滅茶苦茶気に入ってもらえているような反応。
満足そうに出ていった。
嬉しい。
そして閉店。
まあやっぱ今日は売れたんだな。道の人多かったもん。
「今月一番売れたわ」
「12万くらい」
すげぇなシェフ。一人で回してそれは。
参考程度に昨日のランチは4万とかでいつもくらい。
それでてんやわんやしているのが俺。
やっぱりこの店で本質的な意味で手伝えるくらいにはなりたいよな。
「まあ、助かったよ、来てくれて、いつもだったら片付けとかして3時コース」
そうなんだろうけど、お世辞も少し含まれているのがわかる。
シェフの昔話を聞きながらノロノロと洗い物を終わらし、1時位に帰って来た。
前言われたやりたいことリストを説明する。
説明も下手。深く掘り下げられていない。
ぼろくそ言われる。もちろん歯に衣は着せているのだけれど。
見抜く力がすごいなこの人やっぱり。
ちゃんと考えろというのが伝わってくる。俺はそうしてきた。というのが雰囲気で分かる。
すげぇな。
甘く居ることは許されねぇな。
ウトウトしながら話を聞き、2時半ぶっ倒れるように寝た。
一日の情報量が多い...。