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仕事をやめて世界一周旅行に行ってみた。

社会人9年目に仕事を辞めて出かけた、
1年間の世界一周旅行。

仕事は嫌いではないし、職場の環境も良かったので
贅沢な悩みだと思われるかもしれない。

でも、毎日、同じような1日を過ごし、
気づいたら1ヶ月、1年と経っていく。

そんな風にして時が過ぎる事が怖くなり、
仕事を辞めて旅に出た。


空白の1年間に自分のやりたい事を詰め込んでいく。
仕事を辞める不安はあったけど、
退職届を出して後戻りできなくなってからは
気が楽になって、気づけば出発の日になっていた。

旅をしている時も月日が経つのは早かったけれど、
毎日がとても充実していて、
「帰国したらこういう事をしてみたい」
ということがいくつも浮かんできた。


1年後。
帰国した直後は新鮮な気持ちで、
そのモチベーションは続いていたが、
再就職して1ヶ月経つと旅行前の日常に戻っていた。

仕事内容は忘れていたので、
「戻った」というよりも「できなくなった」
という方があっているのかもしれない。

そして、日頃の業務や家事に追われて、
世界一周中にやりたいと思っていたことについて
考える時間も少なくなった。


仕事を辞める時、反対する人はいなかったけれど、
「夏休みの時に少しづつ行けば良いのでは」
「リタイアしてからの方が時間が作れるよ」
などといった意見は多数もらっていた。

世界一周旅行に出て、やりたい事が見つかり、
そこに向けて進んでいく。
そんな人たちがいるのは確かだ。

しかし、旅の前後で同じ毎日を過ごしている自分は
わざわざ仕事を途中で辞めてまで
世界一周に行く必要があったのだろうか?

「この旅を経験して人生で変わったことは?」
と聞かれて誰もが納得する答えは出せないと思う。


でも、世界一周で色々経験したのは本当だ。

ルートプランを使っていく中で地理や世界情勢を、
美術館巡りを通してアートの楽しみ方を、
教会、モスク、寺院などを訪れることで宗教を、
遺跡や博物館、イベントに参加し歴史や文化を、
というように世界一周旅行を通して色々勉強をした。

理系の自分には社会科系など他の学問は無縁であり、
日本での生活を続けていたら興味が湧かず、
学ばなかったと思う。


世界一周の長旅での節約生活を経て、
洗濯機はやっぱり必要だ、ブランド物は要らないな、
など、日常生活において自分がどういうところに
重きを置いているかを知ることができた。

また、稼ぎが無く貯金がどんどん減っていく中、
お金がかからないという理由で始めたトレッキングで
自然を満喫することの楽しさを知り、
世界一周のルートプランを変更してまで、
自然のアクティビティを楽しむようになった。

日本にいる時は週末になると
買い物やカフェに行って時間を潰していたけど、
不必要なものを買うことは少なくなったし、
日本の自然に触れ合う機会も作るようになった。
(勿論、買い物もカフェ巡りも楽しいのだけれど)


そして何より、他の人との出会い。
泊まっていたドミトリーやB&Bで
海外からの旅行者やホストと出会い、
お互いの旅路や生活、文化について語り合い、
別の国で再開したりして、また盛り上がった。

今までは年に1度しか長期休暇を取れなかったので、
せっかくならと良いホテルに泊まっていたから
こうした出会いに巡り合うことは無かったし、
もっと喋りたい!と思うようになって
その国の言語を勉強するようにもなった。

どれも「そんなことか」というような、
誇れるほどの事ではないかもしれないけれど、
自分にとってはどれも世界一周に行かなければ
分からなかったことであり、貴重な体験だった。



もちろん大変なこともあった。

せっかく海外に行ってもお金がなくて
観光や食事を我慢しなければいけないこともあるし、
洗濯や自炊も煩わしいし安眠がとれないこともある。
想像してたよりも大変で体力も気力も必要で、
疲れ果てて体調を崩すこともあった。

日常を過ごすなら日本の方が圧倒的に楽である。

でも、行くのに躊躇して、いざ行くとなった時、
計画していた国が行けるとも限らない。

戦争やビザの影響で行けなくなる国もあるだろうし、
年齢制限のために入れないエリアもあったりする。
また、家庭環境の変化で行けなくなることもある。

もし行きたいと思っているのであれば
仕事やお金や生活など不安はあるかもしれないけど、行きたいと思った時に行った方が良いと感じた。


世界一周旅行でどんな経験ができるかは人それぞれで
そこまで人生は変わらないかもしれない。
時間やお金、社会的地位など、失うものもある。

仕事を辞めて世界一周旅行に行くなんて
一般的には変わっていると思われるだろうし、
後ろ指をさされるかもしれない。

そんな中で一歩を踏み出すのには勇気がいるけど
自分が心配していたことは
実は割とどうにかなるものだったりする。

「やらない後悔よりも、やった後悔」

世界一周の旅をしなくて後悔しても
旅行に行って後悔することは無いと思う。

「自分は世界一周をしたんだ!」という
自信と満足感が得られることは間違いないし、
新しいことに挑戦する時にも「なんとかなる」と
感じれるようになって、挑戦のハードルが低くなる。

振り返ってみても世界一周旅行に行って良かったし、
帰国した今も後悔はしていない。


こんなことを感じた世界一周旅行だった。

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