まだ起きていないことを今悩む必要はない
ご訪問ありがとうございます。私は普段、コレカラ・サポートという法人で相談支援の活動しています。noteには、日々の活動の中で感じる疑問や、相談からの気づきなどから、何か日常のヒントになりそうなことを書いていこうと思います。
意外な人から相談を受けることが増えた
昨年来コロナの影響で、相談を受ける内容に変化を感じるようになりました。そのうちの一つは、普段支援する活動をしている人からの相談が増えたことです。なにげない会話に含まれる「実は...」という言葉の中に、何かを抱えて悩んでいる様子が伺えることがあり、その背景について話を聴く機会が増えてきています。
無理なポジティブ思考はかえって苦しくなる
私たちは、何かに悩んだり不安を抱えたりすると、すぐに正解を出そう、それを何とかして解決しようとします。そしてそれが相談のきっかけになるとも言えるのですが、特にこの1年で起こっている問題は、わからないこと、将来への出口が見えないことへの不安が重なることが原因で起きているものが多く、恐らくすぐに解決することができないものがほとんどだと思っています。
支援活動をする人たちの悩みの共通点は、自分自身や周りの状況の変化の中で、今までのように対応できないことへの葛藤や無力感、焦燥感からきているものが多いように感じます。どうにもならないことをポジティブ思考で乗り越えようとして、かえって苦しくなっているような印象です。
問題を解決しないままにする能力
先日ある打ち合わせの中で、「ネガティブケイパビリティ」という言葉を教えてもらいました。この言葉が、今一つのヒントになるかもしれません。
こちらの本の中では、問題解決能力の裏返しの能力的な意味合いで言葉が紹介されていて、“論理を離れた、どのようにも決められない、宙ぶらりんの状態を回避せず、耐え抜く能力”と記されています。「受身的能力」「負の力」とも言えます。
私自身も言葉自体は初めて聞いたものでしたが、本を読んでみて、普段の活動で実践しているコーピング(課題と向き合う・対処する)の知見と非常に近いものがあり、すんなりと受け入れることができました。
まだ起きていないことを今悩む必要はない
世の中には、解決できる問題もあれば、そうではない問題も数多くあると言えると思っています。私自身、以前仕事上のトラブルや家庭の問題で悩みを抱え苦しんだ時期がありますが、そのときに仲間からかけてもらった言葉が、自分をすごく楽にしてくれました。
「まだ起きていないことを今悩む必要はない」
もし今、何か辛いと感じている人がいたら、無理にネガティブな状態からポジティブになろうとはせずに、「今は答えを出さない」というニュートラルな選択肢も持ってみてはいかがでしょうか?「ネガティブケイパビリティ」今をやり過ごすという選択を肯定的にとらえることができれば、少し気が楽になるかもしれません。