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【週刊プラグインレビュー】Lindell Audio / 69Series

今月はLindell Audioから発売されているチャンネルストリップ「69Series」をレビューしていきます。

簡単なデモはこちらを。

詳細なウォークスルーはこちらをご覧ください。

https://www.plugin-alliance.com/en/products/lindell_69_series.html

今回のプラグインの元ネタになっているのは、Helios Type69 Consoleというコンソールです。

オリンピックスタジオに導入されたHelios Oneでは、Jimi Hendrix, Procol Harum, Led Zeppelin, Traffic, The Rolling Stones, Eric Claptonなどがレコーディングを行い、その後1969年にベイシング・ストリート・スタジオに導入されたコンソールでは、Black Sabbath, Jethro Tull, Genesis, Bob Marley & The Wailers, Dire Straits,Led Zeppelinなどがレコーディングを行いました。

そのパンチのあるロックサウンドは、Led ZeppelinのBlack DogやStairway to Heavenで聴くことができます。

もう少し詳細にHeliosに関して知りたい方はこちらを。

Helios Consoleはその人気の高さから、UAD / Wavesからプラグインがリリースされています。もちろんそれらも素晴らしいのですが、Lindellから満を持してITB時代にフィットしたHeliosプラグインが発売されたので、今回はそちらを取り上げていこうと思います。


概要

プラグインの機能を順に見ていきます。

METER

Level meter
各モジュールのスイッチに応じて入出力レベルを表示

Gain reduction meter
コンプレッサー・エキスパンダーによるリダクション量を表示

PREAMP

THD(Total Harmonic Distortion)
回路の高調波歪みの量をコントロール。デフォルトである中間の位置は、エミュレートされたコンソールの通常の動作を模しています。

GAIN
入力レベルをコントロール

-20 dB PAD
GAINより前段階で音量を下げる

METER
入力または出力のどちらをレベルメーターで表示するかをコントロール

UNITY
ユニティーゲインモードをアクティブにする
アクティブにすると入力レベルが変化しなくなるため、GAINノブを単純な歪みのコントローラーとして使用することができる

FILTERS

HIGH
6,10,14kHzで切り替え可能なハイシェルフフィルター
±10dBまで2dBずつのステッピングコントロール

MID
±16dBまでのピークフィルター
kHzで選択した周波数帯をBoost / Cutする

BASS
60,100,200,300Hzを0-16dBピークフィルターでブーストするか、
50Hzを3dBステップで最大15dBシェルビングフィルターでカットする

PRE / POST
チャンネルストリップにおけるEQの位置をダイナミクスセクションの前にするか後にするかを選択する

FILTER
40,80Hzをハイパスフィルターでカットする

COMPRESSOR

SC HPF
コンプレッサーサイドチェインのハイパスフィルターの周波数をコントロール

MIX
コンプレッサー段でミックスされる、DryとWetの信号量をコントロール

LIMIT
リミッターを作動させる
リミッターのスレッショルドは固定だが、プラグインメニューから変更も可能

RATIO
コンプレッサーのレシオをコントロール

RELEASE
コンプレッサーのリリースタイムをコントロール
Autoに設定も可能で、Autoの場合短いピークと長いピークそれぞれに対して異なるリリースタイムが適応される(詳細は非公表)

ATTACK
コンプレッサーのアタックタイムをコントロール
3ポジションの選択制[Fast:0.025ms、Mid:2.5ms、Slow:25ms]

THRESHOLD
コンプレッサーの スレッショルドをコントロール

NIVEAU
コンプレッサーのサイドチェインに3dB/OCTの緩やかなスロープを加え、自然で透明感のあるマスタリング向きなコンプレッションを実現する

SMASH
コンプレッサーの入力を20dBブーストする
出力ゲインはユニティに保たれるためレベルの変化はない
激しいドラムサウンドやハードなボーカルへの使用が推奨されている

EXPANDER

RANGE
エキスパンダー/ゲートがアクティブのときのゲインリダクション量

RELEASE
リリースタイムのコントロール[ Fast: 25ms ... Slow: 1.6s ].

ATTACK
アタックタイムのコントロール
3ポジションの選択制[Fast:0.02ms、Mid:2.5ms、Slow:40ms]

THRESHOLD
エキスパンダー/ノイズゲートの閉じ始めるレベルを決定する

HOLD
信号レベルがスレッショルドを下回っている場合でも、エクスパンダー/ゲートが開いてから少しの間、開いた状態を保持する(詳細なHold timeは非公表)

INV.(Invert)
エクスパンダー/ゲートの動作を反転させる
信号レベルがスレッショルドを上回ると、信号が減少します。

以上がLindell 69Seriesの概要になります。
マスターセクションにはBrainworxでお馴染みTMTが搭載されていますが詳細は割愛させていただきます。
一応おさらいはこちらで。

69BUSはここからEQとダイナミクスセクションを省略したものになります。
その名の通り各BUSセクションにインサートして、楽器ごとの歪み率やボリュームを操作することが想定されています。

ざっくり機能面では必要十分なものが揃っている印象です。
実機ではバスコンプとして搭載されていた F760コンプレッサーもプラグイン化の恩恵を受けて1チャンネルごとに使えるようになっています。
一部ステッピングノブになっていますが、ソースも選ばず割と自由度高くサウンドメイクもできる印象です。

次項ではどんな部分がHeliosのサウンドの特徴なのか、という観点から
プラグインの挙動の検証や実験を行ってみたいと思います。


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