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日商簿記検定2級攻略⑥~有形固定資産Ⅰ~

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1 はじめに

 日商簿記検定3級では主に減価償却の手続ついて説明をしました。2級では定額法のほか、定率法、生産高比例法などの手続を学習します。加えて、保険金による取得の場合の処理や保険で購入する前の帳簿処理についての学習します。

2 減価償却

 減価償却とは、有形固定三の取得原価を費用配分の原則によってその資産の耐用期間に渡り、計画的、規則的な一定の方法により会計期間に配分することをいいます。有形固定資産のうち、減価償却の対象にならないものには、①土地②事業の用にまだ供していない建設仮勘定などの資産、③貴金属や未術品等で時の経過により価値が減少しない資産があります。
 ⑴ 償却方法
   減価償却の計算では、次のニ要素に基づいて計算します
  ① 取得原価:付随費用を含める
  ② 配分基準:その資産の耐用年数又は利用度(生産高や運転時間等)
  ③ 残存価額:耐用年数の経過後に置いてもその資産に処分価値がある場合に、減価償却の範囲から除かれる部分いいます
   以上により、「要償却額-取得原価-残存価額」となり、用償却額は配分基準により各会計期間に費用配分されることとなります。
 ⑵ 主な減価償却の方法
  イ 定額法(3級編で学習済みのため説明省略)
  ロ 定率法
    減価償却費は毎期遁減する投下資金を早い時期に費用処理します
   減価償却費=(取得原価-減価償却累計額)×定率法による償却率
  ハ 生産高比例法
    鉱業用設備や自動車等のように、生産高や運転時間等に応じて原価する有形固定資産について、精算の償却費を按分します。
    減価償却費=(取得原価-残存価額)×当期生産高/見積総生産高                                               
 ⑶ 期中取得資産の減価償却費の計算⑶ 期中取得資産の減価償却費の計算
  期中で減価償却資産を取得した場合、当該資産をその事業の用に供した日から期末までの月数で1年間の償却費を按分します。

例題1


問1
 次の資料により①定額法②定率法③生産高比例法による減価償却費を計算しなさい
(資料)取得原価   5,000,000円 生産高 1期目 1,000
    耐用年数   5年         2期目 3,400
    定率法償却率 0.4          3期目 3,100
    残存価額   0円         4期目 2,500
                       合計 10,000
答1 ①定額法   ②定率法   ③生産高比例法
    1,000,000  2,000,000   500,000
 ⑷ 減価償却費の仕訳方法
  イ 直接法;減価償却費を直接、資産の帳簿価額から控除
  ロ 間接法:3級で学習済のため説明省略

3 売却 

  車両運搬具や機械装置は、物理的には使用可能であっても経済性の見地から売却されることがあります。なお、期中に売却した場合は、期首から売却日までに経過した月数に係る減価償却費を計上します。
 ⑴ 固定資産売却益
   売却価額-(取得原価-(期首減価償却累計額+期首から売却時までの減価償却費)>0
 ⑵ 固定資産売却損
   上記⑵の逆となります

例題2

問2
 x1年4月1日に取得した車両(取得価額2,500,000円、減価償却累計額625,000円)をX2年6月30日に1,500,000円で売却し、代金は現金で受け取った。
 なお、これらの車両は、定額法(耐用年数4年、残存価額0円)で計算し、決算は3月末である。仕訳をしなさい。
答2
(借)減価償却費 156,250  (貸)車両 2,500,000
   減価償却累計額 625,000   固定資産売却益 218,750
   現金 1,500,000

4 買換え

  所有する有形固定資産を下取りに出し、その下取り価額を新しい資産の購入に当たって充当することを買換えといい、旧資産の売却代金を頭金として新しい資産の購入代金の一部にしたと考えられます。

例題3


問3 次の取引の仕訳をしなさい
 期中に車両(取得原価1,000,000円、減価償却累計額100,000円、間接法により記帳)を下取りに出し、新車1,500,000円を購入した。下取価額は200,000円であり、下取価額と新車代金の差額を現金で支払った。また、旧車両の当期首から下取時までの減価償却費は200,000円である。

答3
(借)減価償却累計額 700,000(貸)現金 1,300,000
   車両 1,500,000       固定資産売却益 100,000
   減価償却費 200,000     車両 1,000,000


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