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日商簿記検定2級攻略⑦~無形固定資産~

1 はじめに

 前回は、有形固定資産を学習しました。今回は、無形固定資産となります。有形と違い、減価償却の残存価額は残さない等、異なるところがありますので、順次説明していきます。

2 無形固定資産

  無形固定資産とは、有形固定資産のように具体的な存在形態はありませんが、企業に対して長期にわたり特別の権利が与えられることにより、営業活動に貢献する性質を持つ資産であります。無形固定資産は次のように分類されます。

 法律上の権利を表すもの:特許権、商標権、借地権

 経済上の価値を表すもの:のれん、ソフトウェア

・ 法律上の権利を表す無形固定資産の会計処理
 償却方法は、残存価額をゼロ円とした定額法で、記帳方法は直接法によります。償却額は、販売費及び一般管理費に計上します。
 工業権ついては生産高比例法により焼却する場合もあります。

例題1 次の取引の仕訳をしなさい

問1
① 当期種に340,000円で特許権を取得した。登録料20,000円ともに現金で支払った。
② 当期の決算におあたり、特許権を8年で償却する

答2
①(借)特許権 360,000 (貸)現金 360,000
②(借)特許権償却 45,000(貸)特許権 45,000

3 のれんの会計処理

 のれんとは、一般的に起業の超過収益力を言いますが、その要因として、商品名が一般に知れ渡り販売が容易であること、あるいは営業所の立地条件が良いことなどがあります。会計上ののれんとして資産計上されるものは、他企業の営業の全部又は一部の優勝での譲り受け、合併・子会社化等によって生じた場合に限られます。
 のれんは、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額4その他の合理的な方法により規則的に償却します。

4 ソフトウェアの会計処理

 ソフトウェアとは、コンピューターを起動させるためのプログラムなどを言います。ソフトウェア制作費は、その政策目的によって収益との対応関係が異なるため、制作目的別に処理が定められています。日商簿記検定2級では自社利用のソフトウェアについての範囲ですので、自社利用のソフトウェアのみ教えます。
 自社利用のソフトウェアについては、その利用により将来の収益獲得または費用削減が確実であると認められる場合には、ソフトウェアの制作費または取得に要した費用を無形固定資産として計上します。
 決算において、当該ソフトウェアを、残存価額ゼロ円とした定額法により昇格します。

例題2 次の取引の仕訳をしなさい

問2
① 当期首に自社利用のソフトウェアを800,000円で購入し現金で支払った。
② 当期の決算にあたり、①のソフトウェアについて定額法により5年で償却する

答2
①(借)ソフトウェア 800,000(貸)現金 800,000
②(借)ソフトウェア償却 160,000(貸)ソフトウェア 160,000

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