光村5年国語「たずねびと」

昨年度、立ち上げた「これからの国語を知る会」

今年度は、コロナの影響で開催を見合わせていましたが、時代の流れにのってオンラインで実施。

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想定していたよりの参加で、16人の先生方が集まりました。接続不具合等も入れると20名近かったかな?今回も大盛況でした!


「3 教材研究」のところでは、グループごとに分かれて

・身に付けさせたい力

・教材分析

を往還させながら自由なフリートーク=「教材トーク」をしました。私は、事務局ということをいいことに、様々なグループの話し合いに参加しました。

どのグループでも、身に付けさせたい力を中心としながらも、話し合いの柱は2つに集約することができました。

①クライマックスの確定 または 綾の気持ちが「どういった気持ち」から「どのような気持ちに変わったのか」

②情景はどういった気持ちを表しているか(例えば、P.118 L.4~5の「静かに流れる川、夕日を受けて赤く光る水」など)

さすが先生方!どのグループも白熱していました。


最後には、十文字学園女子大学の児玉裕子先生に指導をいただきました。

新教材であり、当然ながら授業実践も見たことがないことから、ここでは「私はこう教材研究をしてきた」という視点でのお話でした。

ポイントは3つ。


①最初と最後では、中心人物の心情にどのような変化があったか。

これはグループワークでも話の柱でした。先生方は情景から、心情から様々な視点で読み取れます。クライマックスもすぐに確定できるでしょう。でも、子供たちはどうでしょう?どういったことを手がかりに読みを深めていくか。改めて児童観を見直すことができました。

ちなみに、私は、未だに中心人物の綾が「どう変わったのか」ということは分かっていません。子供たちと一緒に考えていきたいと思います。(いや、授業前に教師の考えをもっておけという話ですが…)


②系統性を意識すること。

「たずねびと」に至るまでどのような知識を子どもたちは獲得しているのか。以下の表にまとめます。(出典:https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/s_kokugo/tangen/2020k_tangen.pdf)

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5年「たずねびと」では、『物語の全体像をとらえ、考えたことを伝え合おう』

4年「一つの花」では、『場面の様子をくらべて読み、感想を書こう』

3年「ちいちゃんのかげおくり」では、『場面をくらべながら読み、感じたことをまとめよう』

つまり、場面→全体像となっていることが分かります。

では、低学年では・・・

「場面」という言葉は見当たりません。でも・・・・

よく低学年では、【音読劇】を行うことがありますよね?なぜ???

【音読劇】とは、その場面を意識して、音読することをねらいとしているから。つまり、低学年では、理屈でなくて、感覚的に場面意識をさせているということです。

こうして獲得してきたものを、6年の「やまなし」「海の命」に活かしていく。こうしてみると、教科書会社はよく考えているなぁ。


③題名から考える

本教材は「たすねびと」では、

「だれが、だれに訪ねているのか」

物語では、「綾」は「あばあさん」を訪ねています。もちろん、亡くなっている「アヤ」なので、直接的には訪ねることができません。

また、「アヤ」はきっと「家族」のもとへ訪ねたい。でも、おそらく「家族」も戦争で命を落としているのだろう。「アヤ」が訪ねる先は、ないのです。

そうした訪ねる先のない「アヤ」を誰か訪ねる人がいれば、「アヤ」は「アヤ」でいることができます。名前でしかなかった、文字だけしかなかった「アヤ」が、実際にここにいたんだ、生身の人間として暮らしていたんだ、ということを実感できた「たずねびと」綾として物語が出来上がっているのだと。

こうした主題にも近いようなことを、どのように子供に実感させるか。様々なところに伏線があるので、一つ一つ確認していきたい。というご指導をいただきました。


こうしたグッとくる話を、いつもご指導いただけることに感謝でいっぱいです。


戦後70年以上経った今。戦争を知るものが、ほとんどいない今。現代に生きる私たちが、この教材としっかり向き合いたいと思えた会でした。



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