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国内で競っている場合ではない〜今回の買付で感じた事〜

■ 僕らのライバルは誰か?

海外に仕入れに行くと、そこにいるのは日本のバイヤーだけではありません。

アメリカ、カナダ、ヨーロッパ…
西洋圏から広げれば、オーストラリア、タイ、インドネシア、韓国…からのバイヤーと商材を取り合う事になります。

近年では、ebay (世界規模のインターネットオークション)の普及で、スマホ越しにはより多くのバイヤー達が商材を取り合うことになりました。

僕たち日本のバイヤー達は、こういった中で"もみくちゃ"にされながら、商品の仕入れをしていきます。

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近年は特に、ヨーロッパのマーケットの勢いが物凄く盛り上がっている様に感じます。

我々が1点1点慎重に、コンディションやクオリティチェックをしている間、

隣ではEUのバイヤーが、両腕で抱えられる分だけの商材を抱え、あっという間に20ftコンテナをいっぱいにして、自国へ送る。

そして、先程帰国したと思ったら、またすぐにやってくる。

もちろん僕の誇張や比喩表現ですが、体感としてはそのような風に僕には見えました。

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■ 日本の古着と各国の古着


日本のファッション感覚は独特で、マーケットの規模としては大きい。けれども、西洋国に比べると不利な部分もあります。

アメリカ古着を例にとると、
アメリカ人とヨーロッパ人は体型が近く、文化も似た所があるので、アメリカの洋服自体を受け入れる土台ができている。

日本人とアメリカ人は体型が異なるため、アメリカの服を着こなす際に、何かしら工夫が必要になります。
(もちろんこの工夫こそが日本のファッション市場の下支えになっているのだけれど…)

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中古に対する抵抗感も異なります。

日本人は物を大切にする傾向がある反面、中古に対する抵抗感が強い。近年になり、リユース文化が根付いてきたものの、コンディションに対する要求や汚れに対する抵抗感が強い。

一方、ヨーロッパで古着を楽しむ人たちは、そういった汚れやくたびれた雰囲気を、楽しみながら受け入れている様に見えます。

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■ True Vintage に頼れなくなった今


True Vintage (単価の高いリーバイスデニムやスウェットなどの総称として使います)に限って言えば、
日本ほどその解像度が高く、発展したマーケットはありません。
国内のTrue Vintage Itemの量で言えば、おそらく日本がNo.1と言っても過言ではないでしょう。

これまでは、こういった高単価な商品が、販売者の利益を担保して、海外での日本のバイヤーの競争率を押し上げてきました。

しかし、近年になり古い物は見つかりづらくなりました。そして現在は、所謂"レギュラーアイテム"をいかにきちんと提案して、利益を確保するか?と言う方向にシフトしています。

True Vintage に頼りきれなくなった今、我々日本のバイヤー達は本格的に、各国のバイヤー達と争うことになるでしょう。

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■ 僕達にできる事を


今回の買付を経て、こういった現場を目の当たりにしました。

同じ都市の隣同士の古着屋で争っている間、確実に世界のバイヤー達は仕入れの場で優先権を獲得していきます。

日本でどう生き残るか?と言う目前の課題と同時に、

世界の古着市場の中で、日本がどう立ち回っていくのか?こういったことも視野に入れつつ、

僕にできる事を確実にやっていこうと思いました。

(締めくくりが雑で、すみません…笑)

以上、お読み頂きありがとうございました!

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