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さぁ、デブ思考を意識しよう

『デブ思考』は身の回りある。
一度デブ思考に気がつけば、ダイエットの話を聞いている時や誰かの成功話を聞いた時に、「あぁ、デブ思考だな」と思うようになるはずだ。

知るということは、自分がガラッと変わることです。したがって、世界がまったく変わってしまう。見え方が変わってしまう。それが昨日までと殆ど同じ世界でも。

養老孟司. バカの壁(新潮新書) (Japanese Edition) (p.45). 新潮社. Kindle 版.

さて、このデブ思考は本当に存在しているのか?
その質問に答えるのが以下のグラフである。存在をグラフで示すというのはちょっと直感的ではないけれど、今から説明するのですこし我慢してほしい。

このグラフは、ダイエットにおける減量率と経過日数を表したものだ。
縦軸がダイエットで減量を割合(%:減量体重/元の体重)で表し、横軸がダイエット開始後から経過日数を表している。
青い点は、私が東京都立中央図書館でダイエット本を読み漁って(実際、そんなには調査対象の本はなかった)ダイエット開始から何日後にどれだけ痩せたのかをマッピングしている。
オレンジの点は、肥満症診療ガイドライン2016にかかれている医療的な減量に則り、減量開始からどれだけ体重が減っているのが理論的に理想的な状況をマッピングしている。
それぞれの点線は、各色の点を線形で近似値をとったものだ(大して難しくはない。EXCELで一発だ)。

グラフ1:デブ思考の定義

もしこのグラフを見て「青い方が早く痩せているのだから良いのではないか」と思ったのであれば、あなたはデブ思考の可能性が高い。これを見てまず思うべきことは、「青い方は過剰に痩せ過ぎているのではないか?健康に害はないのか?」ということだ。なぜなら、オレンジの線は医療的に理想的なのであるから、それ以上に痩せる必要は必ずしもない。

もちろんダイエットなのであるから「体重が減ること」が目的ではあるけれども、それによって健康が害せられることになってはいけない。「健康の為なら死んでもいい」ということに成りかねない。

青い点線とオレンジの点線の間には何かがある、青い点線を実現するためのダイエットの思考と医療的なアプローチの間にある思考方法の隔たり、つまり考え方の谷のようなものがある。それを渡ると青い点線の世界には、デブ思考で生きる人々がいる。

デブ思考を定義すると「バランスを失っているにも関わらず、短期間で目的を達成することに集中した思考方法」のことだ。デブというネガティブな言葉を使うのは、否定的な意味合いで論じているということと、デブ思考が超肥満の方が過激にダイエットする事例から生まれたことに由来する。

デブ思考は短期的に見ると、目的を達成しているものの、短期的な成果を追い求めるあまりに長期的な成功を得にくいというネガティブな側面がある。その特徴は、「目的-手段-精神性」の3点にまとめることが出来る。 

デブ思考の定義

  1. 目的

    • 目標の程度が大きい

    • 目標とその他の事柄との相対化が行われない。つまり、目標が絶対化されている。

  2. 手段

    1. 短期的な手段を採用する

    2. 「・・・のみ」「・・・だけ」という集中型の謳い文句の手段を採用する。しかも、それらを並列して実施する

  3. 精神性

    1. 明らかに達成不可能だと思われる目的と手段を達成できると考える

    2. そして、それを実際に達成できる根性・動機がある

さて、これからはデブ思考を出来る限り具体的に見ていきたい。

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