3.11いのり
年度末も押し迫った、3月半ば。
新型コロナの休校騒ぎで、開店休業状態の学校現場である。
とは言え、明日に迫った卒業証書授与式。職員は忙しなく準備を進めていた。
思えば数日前。おしりに大層な違和感があった。
そう、痔である。
私は、出産からの痔参戦。痔歴足掛け10年ほどになる。出産回数を重ねるにつれ、外だけではなく中にも違和感。そして第4子出産、ついに排便時に内痔核が手で押し込まないと戻らなくなった。
ちなみに、内痔核は派手に現れるが痛みはない。私の場合、ほぼ出血もない。毎度戻さなくてはならないのが厄介ではあるが、不便なくお付き合いしてきたほうだと思う。
この度の急な休校騒ぎで、いつもなら取りに来てもらう卒業生の作品やら荷物を返せないという由々しき事態になった。しかも、本人達に渡せる日が卒業式の日しかない…数日前から部屋に籠り、硬い椅子に座り、梱包と袋入れの作業を行っていたのである。
その日は朝から、職員で卒業式の準備をしていた。
よく考えたら、立つのが億劫になるほど痛かった。いや、考えなくてもチクチクチクチク痛かったと思う。明日いつもと違う雰囲気の中で、卒業生を送り出す緊張感が、痛みを忘れさせていた。ここのところ、便秘気味なのも忘れていた。ふとした時に感じる痛みは、「お風呂でマッサージすれば大丈夫(´>∂`)」と、今までの経験から高を括っていた。
そうなのだ。今回患った「血栓性外痔核」。いつもはさざ波のように大人しい顔のおしりに、怒涛の如く激痛が走る。歩くのもままならない。立つのもやっと。実は私、ヤツに数年前からかかっていて、年に何度となくやられてしまっている。とあるホームページによると「おしりの風邪」「おしりの血豆」とも言われる。
はっはーん、疲れが溜まってきた頃におしりに出てくるのか、そうかそうか
頭ではわかっていても、怒涛の痛みである。お風呂に入るといくらか痛みが収まる。その隙に、「小さくなれ~小さくなれ~」と、血栓(血豆)にマッサージを仕掛ける。これが私のヤツの攻略法であった。
そして、その日の夜のこと
まだ寒さも残る特別教室。おしりには硬い椅子。
「今日までに、どげんとせんといかん!」
と、深夜まで作業に没頭していた。さすがに明日のことを考えると…と、帰宅。
おしりを労りつつ、マッサージそこそこにお風呂を済ませて2時近くにやっと就寝。
すると、夢に卒業学年の、いつもは温厚な担任の先生が出てきた。
「ほら~、やっぱり…。終わらなかったじゃないですか」