Keychron Q8 Pro を最高の打鍵感にする
こんにちは、こぱぷりんです。
Keychron のアリスレイアウト、65%、ハイエンドモデルであるKeychron Q8 Pro を購入しました。
この記事では、その使用感と、最高の打鍵感にするために現在自分が行っているカスタマイズについて紹介します。
キーボード本体の使用感
Q8 Pro は、Q8 の構造にフォーム等を追加した打鍵音・打鍵感を向上させたモデルです。(その他にも違いあるかもしれませんが・・・)
他の方のレビューをみると、Q8ではかなり金属音が目立つようですが、Q8 Proはその金属音がかなり抑えられており、開封直後のカスタマイズ無しの状態でも十分快適に打鍵することが可能だと感じました。
全体的に完成度が非常に高く、アリスレイアウトの快適さも相まって満足感の高い製品であり、現在の自分のメインキーボードになっています。
アリスレイアウトの利点
通常配列のキーボード利用からアリスレイアウトへのチャレンジは、ある種の賭けのようなものです。
人によってはあまり馴染まないかもしれません。
しかし、慣れてくるとエルゴノミクスなデザインは快適性が非常に高く、通常配列のキーボードに戻ると打ちづらさすら感じるようになります。
ホームポジションが問題なくできている人(あるいは矯正している人)にとっては試してみる価値はあるものだと感じます。
QMK / VIA によるリマップ
Keychron Qシリーズは QMK / VIA に対応しており、 キーマップを自由にカスタマイズ可能です。
65%キーボードなので F1 キーなどがないため、 Fn キーとのコンビネーションで入力することになっており、Fn キーを比較的多く利用することになります。
Q8 Proが優れているのは、両スペースキーの中央にそれぞれ Fn1 , Fn2 の2つのキーが置かれていることです。親指によるキーコンビネーションが用意で、スムーズにキーマップのレイヤを切り替えることが可能です。
このキー配列によりVIA によるカスタマイズの利点を活かしやすく、例えば自分は矢印キーもキーコンビネーションのレイヤに入れることで、ホームポジションから手首を動かさずに入力したりできるようにしています。
打鍵感・打鍵音に関する問題点
完成度の高いQ8 Proですが、気になる点もあります。
■スタビライザーの品質の悪さ
品質が悪い、という言い方が適切ではないのかもしれません。
圧倒的にスタビライザーのカチャカチャ音が気になります。保有しているNuphy Halo75 のスタビライザーと比べると雲泥の差があります。
これはスタビライザーの品質というより、プレートやアルミフレームの問題かもしれません。
少しキーに触れるだけでカチャカチャと不快な高音が響くので、他の完成度と比較すると残念なポイントです。
■打鍵音の軽さ
本質的にはスタビライザーの問題と同一かもしれませんが、キーボードの重厚感と反比例して打鍵音が軽いのが気になります。
Nuphy Halo75の打鍵音・打鍵感が最高で、それをベンチマークとするとQ8 Proの打鍵音・打鍵感はやや軽すぎます。
また、耳障りなほどではないにしろ、アルミフレームの反響音も響くため、余計に軽い打鍵音に感じるようです。
最高の打鍵感にするためのカスタマイズ
上記で色々と問題点を記載していますが、現在の自分の Q8 Pro は問題を克服し、Nuphy Halo75 にも見劣りしない最高の打鍵感を実現できています。カスタマイズの内容は以下のとおりです。
キースイッチの変更
スタビライザーの変更とholee mod
Acoustic Upgrade Kit の装着
キーキャップフォームの追加
順に紹介していきます。
■キースイッチの変更
注文段階では、Keychron K Pro スイッチの Brown を選択していました。
これはこれで非常に優れたスイッチで、なめらかで軽い打鍵感、落ち着いた打鍵音で完成度の高い製品です。
このままでも問題ないのですが、個人的に静音タクタイル軸の感覚が大好きなので、キースイッチを変更しました。
自分が利用しているキースイッチは Kailh Midnight Silent V2 の Tactile 軸です。
なめらかな打鍵感、ゴム感を感じさせない底突き感、軽い荷重と適度なタクタイル感、優秀な静音性、圧倒的なコストパフォーマンスと入手容易性。
全てにおいて優秀なスイッチで、感覚的にはHHMB Professional Hybrid type-s のそれに近いものを感じるスイッチです。
これはファクトリールブ済みですが、追いルブをすることにより、静音性やなめらかさがさらに向上します。
スイッチ選択は正直好みなので、そのままでも何ら問題ないでしょう。
■スタビライザーの変更とHolee Mod
致命的な問題であるスタビライザーのカチャカチャ音は、スタビライザーの変更とHolee Modと呼ばれる静音化方法で対処しています。
スタビライザーは以下を購入しました。
これにHolee Modと呼ばれる静音化を施します。
Holee Mod は以下のYouTube で詳しく解説されているので、それを参考にしました。
スタビライザーの性能はよく分かりません。
実際交換しなくてもHolee Modだけでも充分なのかもしれません。
しかし、この工程によりスタビライザーの感覚は劇的に向上し、不快なカチャカチャ音はかなり削減できました。
■Acoustic Upgrade Kit の装着
上記2点を行っても、やはり軽めの打鍵音、やや反響する金属音は解消できません。
そこで、Keychron 公式のカスタマイズツールであるAcoustic Upgrade Kitを購入、装着してみることにしました。
これは、3つのフォームを、PCB上下に敷き詰める製品です。
3,000円弱で購入できますが、これの効果が絶大でした。
やや目立っていた打鍵音の軽さや金属音が消え、しっとりとしたコトコト感を実現できました。
もはやQシリーズを購入する場合の必須製品であると言っても良いほどで、元から装着しておけばいいのでは?と感じさせるほどです。
■キーキャップフォームの追加
上記でかなり完成度が高くなりましたが、欲を言えば1u以上の修飾キーの打鍵音の軽さ、響きが少し気になります。
そこで、キーキャップの中にフォームを埋め込むことにしました。
6.25uなどの長いスペースバーなどは既製品がありますが、Q8のスペースバー等には適用できません。
そこで、以下NRスポンジを購入、キーキャップの中に埋め込むことにしました。
写真のようにスポンジを切り刻みながら、キーキャップの隙間に詰めていきます。
少し大きめにカットして押し込むことで、粘着無しでもズレることはありません。
このとき、キーストロークの邪魔にならないように配慮する必要があります。
キーキャップの重さが増えるため、キーストロークの感覚に違和感が出ることが懸念でしたが、NRスポンジ自体が非常に軽いため、全く問題ありませんでした。
キーキャップ自体の静音化対策として、静音化リングが手軽であり効果も高く有名ですが、打鍵時のゴム感、キーストロークが浅くなるなど、致命的な欠点もあり、今回は候補にはいれませんでした。
これも好みの問題なので、人によっては静音化リングのほうが良い場合もあると思います。
かなり面倒な作業の割に効果は薄いですが、気持ち程度、打鍵音の響きが落ち着いたような気がします。
フルカスタマイズ後の打鍵感
これらのカスタマイズを施すと、開封後の製品とはもはや別物で、しっとりと重厚感がありつつ、静かで心地の良い打鍵音、打鍵感を感じることができるキーボードになりました。
打鍵感・打鍵音の紹介をしたいところでしたが、機材もないので今後機会があればUPしてみるのもいいかな、と思います。
カスタマイズの手間をかけるほど愛着が増すようで、長くメインキーボードとして活躍してくれると思っています。
Keychron製品はQ8 Proしか保有していませんが、どちらかといえばNuphyのように完成されたものを楽しむのではなく、カスタマイズを前提として自分好みにしていくことを楽しむ製品なのかな?と感じます。
Q8 Pro の購入を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
おわりに
以上が、自身が施したカスタマイズのすべてです。
おそらくカスタマイズやり尽くした感がありますが、なにか思いついたらまたチャレンジしてみたいと思います。
また、アリスレイアウトが非常に手に馴染むため、持ち運び用のKeychron k11 Pro の購入も検討しています。
こちらはロープロファイルということで、あまり打鍵感の評価が高くなく、既製品では静音対策もできないため、ロープロファイルキースイッチの静音化なども含めてチャレンジしていきたいと思っています。