『大脱出 シーズン2』ほぼスター・ウォーズ、さらばの夜明け【勝手に寄稿】

DMMTVで全7話配信中の『大脱出シーズン2』を見た!シーズン1も最高だったが、その1年後に遥かにそれを超えてきた。

用意された密室で、お笑い芸人たちが謎解きやゲーム、クイズを攻略し脱出するのが大筋だけど、ただの脱出ゲーム番組ではない。

前シーズンの感想でも言った通り、日本のお笑い芸人にしかできない、させてはいけない、本当に理不尽で理由のわからない状況が彼らに降り掛かってそれを美味しく切り抜けていく。

きっとお金も沢山貰えるだろうし、見た人からは称賛されて沢山笑ってもらえて、ファンも増えるだろう。でもそれじゃまだリターンが足りないくらい、意味の分からない状況で、意味の分からないことをさせられ続けるので、とてもじゃないけど常人には無理。

そんな扱いというか、そんな仕事や生き方が許されるお笑い芸人のことが、かわいそうでもあるし、なんか倫理的に大丈夫じゃない気がするし、凄くかっこよくて尊敬できて面白い。

シーズン2は1に比べて、出演者同士が連携や交渉をしないと、脱出できない巧妙な仕掛けの連続になっており、より理不尽で、より見応えがある。

途中から何故か『スター・ウォーズ』を見ている気分になってくる。能力の高い反逆者たちが、いろんな無理難題を乗り越えていく感じがアドベンチャー映画のような高揚感を与えてくれた。

そこで、今回鍵になったのがさらば青春の光のおふたり。唯一自力で脱することができる仕掛けの密室にいて、自分たちの問題を解決したあとに、ふたりが積極的に他の芸人とコミュニケーションを取っていかないと脱出できない仕組みになっている。

最初の関門をクリアするまでのさらばのふたりは、理不尽さにキレており、ストレスも相まって険悪になっていたが、徐々に今回の大脱出の全体構造が見えてくると顔つきがどんどん変わる。

次の段階に進んだ時には、もう完全に企画の意図や藤井健太郎氏から与えられた役割を理解して、攻略と面白に一切妥協することなくグイグイ進めていた。ほぼ、フォースの覚醒。

終盤まで、さらばが圧倒的な主人公として進んでいくが、最後の展開ではやっぱり出演者全員が異常な人間たちだと理解させられる。あの衝撃的な行為を見て、本当に自分にはできないことをやってこれまで生き残ってきた人たちなんだなと思うと涙が出た。隣で見ていた妻はなんで泣いているのか理解ができなくて若干引いていた。

全出演者がかっこよくて、個性があって最高だったけど、藤井健太郎氏がさらばのおふたりを、こういうふうに見ているんだろうなと妄想が膨らんで、これからふたりと新しい番組とかやってくれねえかな、マジで。となった。

大筋だけでなく、ちょっとした表情やぼやくセリフどれも面白くて、何度も繰り返して見たくなるし、何度もお腹が痛くなるくらい笑ってしまうし、見終わった後の心地よさったらない。これからもこういう番組が見れると思うと、もっと長生きしたいなと思う。


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