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俵万智著「牧水の恋」を読んで、牧水のこと身近に感じすぎてる私がいる
俵万智さんの「牧水の恋」を読み終わりました。
すごい読み応えのある本でした。
若山牧水(宮崎県の延岡高校卒!)の大恋愛について、牧水の短歌と牧水研究によるエピソードを交えて歌人の俵万智さんが解説してくれる本なのです。
丸裸のあいのうた
驚いたのは、牧水の歌から恋愛事情が赤裸々に見えすぎること。
短歌は昔から恋文の意味もあると言いつつも、もうほんと愛と哀しみが爆発してました。
山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇(くち)を君
にしきのあきらの「そ〜らに太陽がある限り〜♪」
みたいなダイナミックな自然と恋とキスみたいな歌を詠んだのに、一年後には
山死にき海また死にて音もなし若かりし日の恋のあめつち
ですよ。
え〜、どうなったん〜、あの恋〜〜〜!!???
ってなりますよね、読者。
私が当時の読者やったら、スキャンダル的に牧水の恋がどうなってるのか目が離せなくなるような歌の数々。もしかして短歌は現代のTwitter?
相性めっちゃ悪いふたりの恋
恋愛の相手は小夜子さんという女性。
ひとつ年上で、周りの人からも、「とにかく美しかった」という証言が残っているそうです。
どこまでもピュアで一途で情熱的で、恋愛の末に結婚があると信じている牧水。手練手管が上手でまぁまぁビッチやけど愛を求め、かつ、結婚は現実の生活だと知る小夜子。そして、小夜子にはなかなかな過去もあります。
惹かれ合うのに、相性が悪すぎて見てて辛くなってきました。
しかし、その恋があったからこそ、芸術に昇華され、歌人牧水が生まれたのかなぁとも思います。
大学3年生に出会ってから、三角関係、昼ドラの悲しい展開を経て、5年間の後に破局する二人の関係性の中、牧水は徹底的に体を痛めつけるために飲み始めました。そして40代でなくなるのですが、死因は肝臓病。明らかに飲みすぎです・・。
それで望む芸術が生み出せたとしても、果たしてそれが幸せなのか他者からは窺い知ることできないのですが、その人が歩んできた道だからこそ生まれるものなのだなぁと思います。
これからの牧水とワタシ
若山牧水の歌碑は宮崎にたくさんあるけど、「旅の歌人」とか、「昔の人」って感じで、今まで全く心に入って来ませんでした。
でも、これからは自分と同じく、生身で体当たりで恋愛してボロボロに傷ついてアル中までなって、ところどころ昔の女引きずってクズみたいなこともしてるけど、ずっと澄んだ瞳で歌を詠み続けてきた人と知ることができました(絶対偏ってる解釈w)。
きっと一つ一つの歌をしっかり読むようになるとおもいます。
てか、なんなら応援したい。もう死んでるのに!
同情の苦しい涙がにじむ本でした(^^;)