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アウェイキング・オブ・ニンジャスレイヤー -ニンジャスレイヤーTRPG非公式プラグイン-

「……殺すべし」「え?」

「ニンジャ、殺すべし!」

ニンジャスレイヤーTRPG初版におけるニンジャスレイヤーは、原作と同様に妻子を持っていた中流サラリマン、「フジキド・ケンジ」として描かれている。マルノウチ・スゴイタカイビルにて妻子を殺され、復讐のためにニンジャスレイヤーとなったのだ。

だが……果たして本当にそれだけだろうか?

「ニンジャスレイヤー」となるのは、果たしてフジキド・ケンジだけなのか。このゲームはTRPGであり、無限の可能性を秘めたニンジャが多数現れるのであれば、ニンジャスレイヤーもまた、無限の可能性を秘めているのではないか。

このプラグインは新しいニンジャスレイヤーを生み出す、その最初の一歩をサポートするためのルールセットである。

なおこのルールの利用には、基本ルールと公式プラグインの内、基礎レベルのものを想定している。

ルール導入前の注意点

NMはこのルールを導入する際にはその旨を告知し、万一の場合には爆発四散可能性が高いことを警告しておくこと。
後述するが、誕生直後のニンジャスレイヤーは、通常のものより更に強烈な性能を誇る。このルールが適用され、(可能性は低いが)実際に発動してしまった場合、生きて逃げ切れる保証はない。
その内容はしっかりと伝え置く必要がある。
またルールの性質上、戦闘マップには必ず「カルマ:善」を持つモータルを1人以上配置すること。
シナリオ内のキーパーソンであれば、更に良いだろう。

追加ルール

このプラグインを導入する場合、Wasshoi!判定に以下のルールが追加される。

・もしWasshoi!判定時のダイスの出目が2であった場合、そのマップに居る「カルマ:善」を持ち、かつすでに殺害されているか、それと同程度に虐げられているモータル1人が、『暴走ニンジャスレイヤー』として復活する。復活するモータルはNMが選択すること。復活場所はモータルが最後に存在していた位置である。

その他のWasshoi!判定の発生条件や、ダイスの出目が2以外であった場合の処理は通常ルールに準ずる。

◆暴走ニンジャスレイヤー

殺害され、虐げられてきたモータル達の無念が、ついに今この時飽和状態に達し、PC達にとって悪夢の存在が誕生する!
「ニンジャ……殺すべし!」
◆暴走ニンジャスレイヤー (種別:ニンジャ)	
カラテ     18  体力    10
ニューロン  11  精神力  19
ワザマエ    14  脚力   10
ジツ       7   万札   0
回避ダイス  29
							
装備や特記事項
装備:武器はモータル時代の装備に準ずる。
   防具は「パーソナルメンポ(共振)」「伝統的ニンジャ装束(共振)」
スキル:『連続攻撃3』、『連射3』、『不浄の炎』、『状態異常焼灼』、『肉体破壊』
    『ヘルタツマキ』、『ツヨイ・スリケン』
    『●グレーター・ツジギリ』、『●キリング・マシーン』、『●邪悪なサディスト』
    『●タツジン(任意)』、『任意の最上位系スキル』
    『★★★共振装束生成』、『★★★即死無効と欠損部位即時再生』、『★★★電光石火』
    『連続手番』、『瀕死の身体』

◇ヘルタツマキ
 跳躍し、高速回転しながら全方位にスリケンを乱れ打つ。
 ヘルタツマキ:遠隔武器、マルチターゲット、連射6、ダメージ1

◇ツヨイ・スリケン
 装甲ヘリをも一撃で撃墜する、恐るべき強投擲スリケン。
 ツヨイ・スリケン:移動したターン使用不可、遠隔武器、ダメージD6、回避難易度:U-HARD

◇不浄の炎:
 ナラク・ニンジャによるニンジャへの近接攻撃は全てダメージ+1。
 効果は『●鉄拳』と重複する。(『●鉄拳』適用時の素手基礎ダメージは3)
 【精神力】を1消費すると、そのターンの間、『不浄の炎』のダメージを+2にできる。
 【精神力】を3消費すると、そのターンの間、『不浄の炎』のダメージを+3にできる。
 【精神力】の消費は、攻撃開始前に宣言しておくこと。

◇状態異常焼灼:手番の開始時にこのスキルを使用可能。
 使用すると、【体力】を1消費する代わりに、現在受けている持続性の状態異常(毒、麻痺など)を全回復する。

◇肉体破壊
 ナラク化している間、ニンジャスレイヤーは凄まじい怪力と獣じみた戦闘スタイルを用いて戦うため、
 『近接攻撃』時の『サツバツ!』が出目6ではなく出目5以上で発生する。
 つまり【6、2、2、3、5】のような出目でも、【5、5、1】のような出目でも、『サツバツ!』が発生する。

◇連続手番
 暴走したニンジャスレイヤーのスピードはもはやニンジャですら手に負えない。
 ニンジャスレイヤーは移動・攻撃・その他行動などの能動的行動で構成される1手番を、
  1ターンに2回得る。
 各手番ごとに近接攻撃ダイス、遠隔攻撃ダイスは最大値まで回復する。
 当ニンジャと同じイニシアティブで並ぶ者がいる場合は、ランダムなダイスロールで決める際、
 ニンジャスレイヤー側は2回振ること。
 (これにより、「ニンジャスレイヤー1回目」→「PC」→「ニンジャスレイヤー2回目」
  のような行動順も発生し得る)

◇瀕死の身体
 元は殺害されたモータルの体を、超自然の力で無理やり動かしている。
 長時間の稼働は元より不可能なのだ。
 暴走ニンジャスレイヤーは1回の手番が終了するたびに(1ターンではない)、
【体力】に1ダメージを受ける。
 また【体力】が0になった瞬間、暴走ニンジャスレイヤーは爆発四散する。

暴走ニンジャスレイヤーを生成する時、NMは任意の『●タツジン』スキルと最上位系スキルを選択すること。
(シナリオ開始前から、予め登場を見越して選択しておくと良い。)
カタナを装備するキャラクターであればイアイドーをつけるなど、元となるモータルの性質に合わせると、RPに適しているだろう。
何も持たない場合は素手系を選択すれば良い。

出現後のルールに関してはシナリオ内のルールや公式ルールに準ずる。

暴走ニンジャスレイヤーは最長でも5ターン程度しか存続できないが、その圧倒的手数と攻撃力、および回避ダイスにより、他の追随を許さないほどの暴力装置となるだろう。
『●鉄拳』を適用した場合、最大値を適用した『不浄の炎』による最大5ダメージを1ターンに2手番、連続攻撃3でそれぞれ叩き込む他、キリング・マシーンなどにより射撃まで織り交ぜる。

◆暴走ニンジャスレイヤーの行動原理

・移動時、とにかく最も近い位置にいるニンジャの隣に移動しようとする。これはPCだけでなく、NPC(つまり本来PCの敵となるニンジャ)も同様である。

・『●キリング・マシーン』を使用した場合、その射撃候補は『脱出マスに最も近いニンジャ』となる。同距離に2人以上いる場合はNMが任意(またはダイスロール)で決定する。

・近接攻撃対象はPC、NPC関わらず隣接した任意のニンジャ。複数いる場合の分割方法、及び近接攻撃ダイスの分割もNMの任意である。最も殺害に効率が良いと思うスキルの使用、及びダイス分割を行えば良い。ニンジャスレイヤーの行動に慈悲は一切不要である。また『不浄の炎』は精神力が続く限り最大値で使用すると良いだろう。(暴走中に力配分などのことは考えていられず、常に全力になる。)

◆NPCについての基本方針

暴走ニンジャスレイヤーが誕生した場合、NPCニンジャは全力で逃走を試みる。その際、PCに対して気を払う余裕はないため、PCへの一切の攻撃を行わない。
(ただし十分な強者である場合など、シナリオやキャラクターの都合によってNMは自由に改変して良い)

◆暴走ニンジャスレイヤーのその後

人間の限界を超えた身体の酷使により、暴走ニンジャスレイヤーは遅かれ早かれ力を使い果たし、爆発四散することだろう。
だが、もしかしたらその力を強靭な精神力で御すことができたならば、誕生した彼は生き延びてしまうかもしれない。そうなった時、真のオリジナルニンジャスレイヤーが誕生することになる。

暴走ニンジャスレイヤーが爆発四散する前に、全PCが逃走 or 全滅した場合、その後のニンジャスレイヤーについて知るものは誰もいなくなるだろう…。

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