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自己紹介(2020年10月時点)

今回は、30代後半以降の話で、前回の続きとなります。

なぜこんなことを書いているかと言いますと、ミライフキャリアクリニックにメンターとして参加させていただくことになりまして、メンターとしての自己紹介(自分のキャリアの棚卸し)として書いています。
ミライフキャリアクリニックの第3期は、あっというまに定員に達してしまったので、募集は終了となりました。次回の募集は3〜4月頃を予定しているようです。

社会人(30代後半〜)

・時代背景(完全失業率、有効求人倍率)

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https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/pdf/g0301.pdf

時代は、リーマンショックで不況となり、失業率も増加していた時期でした。2009年の春頃だったと思いますが、最も景気が悪いときには、万が一の時のために投資・販売管理費かな何を止めるのかをリストアップしていました。いざという時には、それを一つ一つ「止めるボタン」で押せるような準備をして、緊張感を持って事業運営をしていたのを覚えています。ただ、ITインフラが主事業なのですが、お客様の投資抑制がITインフラにまで及ぶことはなく(IT業界の中でも景気に左右されにくい領域の事業をしています)、結果的には2009年も増収増益で終えることができました。その後も、大きな天災などもありましたが、ゆるやかではありますが増収を継続することができています。

・人事担当の執行役員になって最初の1年で実行したこと
今から10年程前、人事部門の責任者として異動した時、社内の人事に関することは、さまざまなことが整っていませんでした。主観ですが、以下のような状況だったと思っています。

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さらに言えば、今より半分ぐらいの売上規模だったので、予算も人手も足りませんでした。そんな状況で、最初の1年にしたことは以下のようなことです。

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人事制度の運用や採用は、当たり前のことをきちんとしていく、という基本的なことができるように最初は時間をかけました。

そして、予算も人もいないけど教育を何とかしてもらいたいという要望には「社内大学をつくる」を解決策として考えました。
当時でも200人は社員がいたので、何かに秀でている人はそれなりの人数がいました。ただ、教育に携わるのは、時間も奪われるし、何よりも社内への周知や募集、場所の確保など、面倒なことが沢山あります。これをバックオフィスのメンバーが兼務で事務局となり、運営支援をするので講師をやってもらう、というコンセプトでつくりました。

最初はこんな感じで6講座からスタートしました。

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それが3年後には30講座まで増えて、体系らしきものができてきます。

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さらに3年後には70講座となり、今の原型ができあがりました。

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今は100講座を超えて、賞をいただいたり、メディアで紹介いただけることが増えてきました。

・2010年春、人的資源管理を専攻できる国内のビジネススクールに入学
わからないなりに人事としてのキャリアが始まりましたが、それまでエンジニアと事業側の責任者としての経験しかなかったので、専門的なことを勉強をしなくてはならないと考えました。
そのため、2010年の春に、人的資源管理を専攻できる国内のビジネススクールに入学しました。修了するのに2年半かかることになるのですが、講義から学んだだけではなく、さまざまな企業で第一線で活躍されている人事の人たちに出会い、人から学ぶことがたくさんありました。その時の学びは大きな財産になり、自信にもつながりました。

・2010年8月、がんを罹患
慌ただしくも充実した生活を送っていたのですが、突然半年ほどキャリアを中断することになります。精巣腫瘍(がん)であることが発覚したのです。
半年ほど休職、休学をすることになりました。強制的なストップとなりましたが、その後、死生観を持つことになり、キャリアの形成にも大きな影響を与える出来事にもなりました。たまに、人生のターニングポイントはいつでしたか?と聞かれますが、その時にはこのことを答えています。

社長からは、この頃から永江くんはおもしろくなったよね(人としての厚みが出てきた、という意味で捉えています)、と言われています。大学院に通っていた時期とも重なるので、その影響もあるのかもしれません。
ですが、人生を変える出来事になったのは間違いありません。

・30代のキャリアの中心は人事企画
30代の間の7年間は、人事の仕事をしていました。その中でも、キャリアの中心は制度を構築・運用する人事企画の仕事だったと思っています。

仕事の進め方は、本来ならたくさんある問題の中から、あるべき姿に近づくための「解決すべき課題」は何かを抽出して、着手すべきことを見極めて行動するほうがよいのだと思います。
ですが、その領域で未経験だった私は、最初の2年程は、緊急で重要な「火消し作業」に追われることになります。一度立ち止まって、数年後の中期計画を考えられるようになったのは、3年目以降になってからでした。

ようやく立ち止まって、「経営理念→ビジョン→経営戦略→事業戦略→人事戦略」の流れで考え、人事に関する仕事を構造化して考えました。

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その後、求める人材像を定義し、人事DBを導入。バラバラと点在していた人事制度は体系的にまとめ、1冊の人事制度マニュアルをつくりました。以後は年に1回改定しています。

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数百名規模の企業の人事戦略・制度をフルリニューアル、しかも、人材もいないのでプレイヤーとして自分でほとんど手を動かさざるを得ない状況は、ものすごく大変ではありましたが、代えがたい貴重な経験にもなりました。

社会人(40代前半〜)

日本の有効求人倍率は2009年頃に底を打ってから、2020年にかけて右肩上がりで上昇を続けました。すっかり不景気からは抜け出して、好景気となっていったのです。これは、新型コロナウイルスが蔓延するまでの2020年2月頃まで続きます。

・再び、事業部門の責任者へ
42歳の時、キャリアの大きな転換がありました。
人事部門から、再び事業部門へ異動することになったのです。7年前も同じような仕事はしていたのですが、離れている間に会社の規模は2倍近く大きくなり、会社全体の4分の3を占める部署の責任者としての異動は、社内でも大きな波紋を呼ぶのでは、と心配されていました。

そういう背景もあり、最初に行ったのがリーダーズインテグレーションです。書籍「ザ・ファシリテーター」で紹介されたことで知られています。

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熱海の温泉宿で合宿をしたのですが、質疑応答は10時間かかりました。精神的にはハードな時間でしたが、おかげでその後はとても協力的になってもらえたので、その後の仕事がやりやすくなったと感じました。着任してから3日目という早いタイミングで実施したのもよかったのだと思います。

会社としては初めて事業戦略を紙の冊子をつくって、何をしようとしているのかを言語化することにこだわり、ITエンジニアのキャリアをつくることが事業成長にもつながる、という思いで様々な施策も行い、それを組織戦略とつなげることに腐心していました。

その結果、2017年には、日本能率協会よりKAIKA賞をいただきました。

事前審査インタビュアーが組織開発に知見がある方だったという印象が残っていたのですが、以下のような評価コメントをいただけたことが嬉しかったです。

バラバラに見える施策や飲み会も、実は個人と組織の氷山モデルを
有機的に統合させている点がユニークであり、自立的に進化し続ける組織を
意図的に創り出していることが注目に値する。

・取締役副社長へ
44歳のとき、副社長を拝命しました。
まずは「経営の透明性を高める」ことに力を入れました。それを強力に推し進めるために、中期経営計画策定には「つくりかけの粗い中経を全社員に共有して、フィードバックをもらいながらつくる」という手法を採用しました。

この頃は、とにかく考えていること、実際に行っていることを言葉に尽くして説明することをしました。その時は、社内での評価もよかったと思います。

ただ、時が移ろうに従って、その声も変わってきます。「あんなにたくさん書かれても読めないし、覚えられないよね」と。これは、現状の解決すべき問題と捉えてアップデート(シンプルに、わかりやすくする)に向けて動いていますが、まだ未解決です。

社会人(40代後半〜)

ここ数年は、社外でお話しをさせていただく機会も増えてきました。EOF2019では「クライアントワーク企業でもできるエンジニアリング組織のつくり方 」についてお話しさせていただきました。ログミーに全文が収録されていますが、ここ数年での取り組みを紹介させていただいています。


・一般社団法人キャンサーペアレンツの理事
そして、所属しているエーピーコミュニケーションズとの関わりはありませんが、2019年より、一般社団法人キャンサーペアレンツの理事としても活動しています。

子どもをもつがん患者の方が、同じ境遇の方を探すことができ、仲間になることができるピアサポート(仲間同士の支えあい)サービスです。SNSを提供していて、4000名弱の方に会員として登録いただいています。存在目的(パーパス)は、「”つながりは生きる力になる”を証明する」と定義しています。

しかし、2020年5月には、創設者で代表理事である西口洋平さんが亡くなるという悲しい出来事がありました。

ですが、今でも、会員の方から「キャンサーペアレンツが生きる力になっている」「同じような境遇の方とつながることができたのはキャンサーペアレンツのおかげです」という声を聞くと、キャンサーペアレンツは残し続けなければならない、と思わされます。

こちらは、がんを罹患したことのある経験が誰かのお役に立てるのであれば、という思いで活動しています。

・最近始めたこと
先月からは、こんなことも始めました。

月に1回、インフラエンジニアが読むような書籍の著者さんを招いて、トークライブを配信する、というイベントです。しばらくは月1回ペースとなりそうですが、できれば頻度を上げていきたいと思っています。
もし、興味がありましたら、YouTubeによる配信ですので、お気軽にご視聴ください。







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