見出し画像

アゴも弱いし、パンチも弱い。だから勝てるんですよ。

ほぼ同世代の元プロボクサー畑山隆則さんの話。全盛期の頃はボクシングで世間を沸かせていた人です。その頃に放映されていたスポーツドキュメンタリーの動画が残っています。

20世紀最後の白熱ビッグマッチとも言われた「畑山隆則vs.坂本博之」の試合について語られています。

彼は自分のアゴに自信を持ってるんですよ。
僕はアゴに自信がないんですよ。
彼はパンチがあるんですよ。
僕はパンチがないんですよ。
だから僕が勝てるんですよ。

そして実際に10回でKO勝ちをするのですが、試合後のインタビューでは、

僕はパンチがないのを知っているから、小さく細かく。
アゴが弱いのを知っているから、ブロックもしっかりやる。
坂本選手は多少打たれても構わないという覚悟で出てくる。
僕は手数を出す。だんだん弱って、そして倒れる。

ということを話しています。

当時は自信満々でビッグマウスという印象を持っていましたが、冷静に自分を客観視して戦う準備をしていたのだな、とこの動画を見ると思います。

自分の強いところ、弱いところを把握して戦う前に「勝ち筋」を見つける。これは、ボクシングだけの話でもなくて、競争相手がいる分野であれば何にでも当てはまりそうです。

頂点を極めた人が、その当時に語っていたことは、説得力が本当にあるし、もしかしたら「自分にはもっとできることがあるかもしれない」と思わせるような、そんな励ましにもなる動画でした。

あらためて、自分はそれほど強くない分野で勝負をしようとしていないか、自分が強いところで勝負をしているのか、を考えてみようと思います。


「古舘伊知郎チャンネル」でこの時の後日談が語られていましたが、こちらもおもしろかったです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?