#5 シェーラひめのぼうけん 再読感想【ネタバレあり】

 初めましての方は初めまして、こんにちは。久遠と申します。
 つい先日、このアプリのアカウントを思い出し、ちまちまと書き始めました。
 (他にアカウントはありませんが)このアカウントでは、作品を見た感想を中心に載せて行こうと考えております。
 その為今回も同様に、先程読み終わった作品に関して語らせて頂きます。
 私の書く全ての感想に言えることですが、今回も同様にタイトルにある作品のネタバレが含まれます。それも全巻通して含まれますので、まだ読んでいらっしゃらない方は、どうか当作品を読んでから見ていただけますと、ネタバレなしの純粋な気持ちで読めるかと思います。

 ちなみにですが、私はあまり言語化が得意では無いので、拙い日本語で綴るかと思います。どうかここから先を読まれる方はご容赦頂けますと幸いです。

 では、少しだけ改行を失礼してから。






 ここ最近、私は趣味で児童文学を読み進めているのですが、シェーラひめのぼうけんもその1つでした。
 最近のうちで最初に読み始めたのは少女海賊ユーリなのですが、読了後すぐの感想を書けるわけではないので、ここでは省かさせていただきます。

 シェーラひめのぼうけん、先程挙げた少女海賊ユーリと同様に、私はこちらの作品を幼い頃に読んだことがありました。
 幼い頃読んだ作品の中でこの2つの作品は1番に並ぶくらいに大好きな作品で。ついこの間幼い頃から書き溜めている読書ノートを見返していたのですが、何度も読み返していたくらいに好きでした。
 そんな本を現在読んだ感想をここに連ねさせていただきます。

 私は昔からファリード、という男の子が好きでした。好きっていうものでもありませんね。とても大好きでした。
 この作品は主人公として、シェーラザード王国という姫であり、その祖国が悪い魔法使いによって石となってしまった、怪力の心優しいシェーラザードひめという女の子が出てきます。そして次に、そのシェーラザードひめの幼馴染(恐らくそうだったと思います)であり、気弱な魔法使いの男の子ファリード、そしてとある街に両親によって捨てられた(と途中まで思っていた)孤児であり、元悪いものからだけ盗みを働くハイルという男の子が、そのシェーラザードひめと共に旅をしてきました。ハイルは途中から旅に加わりましたが、私にとってはとても頼もしい仲間に見えたものです。
 けれどそんな3人の中で、前述したようにとても大好きなキャラがファリードでした。この子は心に闇を抱えており、少しだけ捻くれ者という子で、最近好きになったキャラを見返しながら、「いやぁ……好きになるなぁこれは……」と思いました。恐らくは幼い頃から好きになるタイプのキャラは決まっていたのでしょう。驚きました。

 そんな3人が石となったシェーラザード王国を救うために、宝石を集めに行くというお話がシリーズの大半を占めています。ですが終盤になるにつれて、宝石は集められた! でも新たな敵が現れた! となったり、新たな敵倒せた! けどまだ最後の敵がいる! と、シェーラザード王国を石から戻すまでに色々な波乱があるのです。先を知っていたはずなのにずっと手に汗握りながら読んでいました。

 そんな中で大好きで、心に宝物として取っておきたいお話はいくつもあるのですが、特に大好きなのがファリードの成長です。
 書いたように私はファリードが大好きなので、成長途中の姿もとても大好きでした。ただ黒竜に操られた姿はとても心が痛かったですが……
 ずっとシェーラひめを思ってきたファリードは、一度その愛しい人をその手で殺してしまいます。本当にここ苦しかったです。生き返ることを知っていたからこそ、まだ何とか心は保てましたが、昔の私はどうやってここから這い上がったのでしょうか……今初見で読んでいたら多分苦しくて三日三晩心は落ち込んでいた気がします。
 その後ファリードは恐らく死ぬために、竜へと姿を変え、天へと登っていきます。
 その最中に、魂となって魔神の国へと行っていたシェーラひめが、竜となったファリードの前へと現れます。
 ファリードは最初、幻だと思い、本当の想いを口にしましたが、やがてそのシェーラひめが幻などではなく、本物であると気づきます。
 そしてシェーラひめと言葉を交わしたファリードはその後、シェーラひめの元へと戻るため地上に戻ります。
 シェーラひめや仲間達の元へ戻ってきたファリードは仲間と共にシェーラひめとさよならの挨拶を交わし、そして一旦は別れました。
 一旦は、というのは、その後天へと昇ったシェーラひめの魂を、魔神ライラが自身の命を持って蘇らせるからです。
 ファリードの話をしているところ恐縮ですが、個人的に魔神ライラとシェーラひめの友情も大好きな部分です。シェーラひめの優しく力強く温かい姿を、指輪という1番近くから見守ってきた魔神ライラ……どのコンビやトリオも好きですが、この2人は特に心がぎゅうっとなります。シェーラひめの魂が戻ってくるため、シェーラひめに、1番大きな贈り物をするため。その命を代償としてシェーラひめを蘇らせるのです。

 さて、話はファリードへと戻ります。
 蘇ったシェーラひめとファリードは再会し、そしてファリードはシェーラひめのために、ファリードによって壊された指輪の欠片を手に入れるため、魔法の杖を手に入れた場所へ1人で竜の姿になって向かい、そして戻ってきてシェーラひめに渡しました。
 竜になったり、本当の強さを手に入れたりと変わったところも多いファリードですが、シェーラひめへの優しさは変わらないファリードが、シェーラひめのために魔神ライラの住んでいた指輪の欠片を持ってくるシーンは、やはり大好きだなぁと。月並みな表現ですが思います。

 そして話は変わります。
 最終巻、最後の戦い。最後の強大な敵を倒すため、仲間として集ったシェーラひめ、ファリード、ハイル、元悪の魔法使いサリード(シェーラザード王国を石にしたのはこの魔法使いです)、正義の科学者ハッサン、ハッサンのお供のアリ、そして正義の錬金術師ミリアムは最後の敵である闇の魔神を倒すため、その前に蔓延る魔物達を倒していました。しかし、魔物によって壊された木馬に乗っていたミリアムをハッサンは助け、そして落ちていきます。ハッサンとミリアムは実は親子で、ミリアムは幼い頃に別れた顔も知らぬ父親を見つけるため、ハッサンは元盗賊であったことでショックを受けさせてしまった妻マリアムと娘ミリアムに自慢できるような正義の科学者になるため、旅をしておりました。それを知っていたからこそ、このシーンはとても手に汗に握りました。最後の戦いのお話はほとんど覚えていなかったため、その後シェーラひめが今まで出会ってきた仲間達が助けに来ると思っていなかったのです。そのため、どうか助かって欲しい、死なないでくれ、と泣きかけたところで……船に乗ってやってきた、シェーラひめ達が出会ってきた仲間達がやって来たのです。思わず安堵で涙が出ておりました。
 その後、一度体制を建て直し、夜明け頃にまた皆で倒しに行こう、それまでは一旦休もうということになります。
 しかしシェーラひめが先程名前を出した仲間を呼び出し、夜明け前に先に倒しに行こう。皆が苦しい思いをしない為にも、と口にします。
 けれどそれはシェーラひめが考えた嘘でした。本当は1人ですぐに(この辺りの時間経過がかなり分かっていないのですが)倒しに行こうと考えていたのでした。
 その嘘に皆気づきましたが、それがわかるのはもう少し後です。シェーラひめが去ろうとしたところに、ファリードがその嘘に気づきすぐに駆け寄りました。この辺りの挿絵が本当に2人とも大人びていてて、不思議とドキドキしておりました。旅によって確かに変わった2人がそこに存在したような気がして、そして最初はシェーラひめより小さかった背のファリードがシェーラひめより大きくなっていて。わぁ……凄いなぁ……と感じました。
 そして2人が言葉を交わし、せめて2人でも行こう! と決意したところで、段々と他のシェーラひめから嘘を聞かされた仲間達が駆け寄ってきます。嘘は気づいていたんだ。だから1人では行かせないと。旅によって出来た仲間達が集っていて、とても嬉しく感じました。

 そうして、名前を出した仲間達全員で難はありましたが、最後の敵を倒し、そして魔法の杖の力によって石となった王国を戻し、一旦物語は完結しました。
 それぞれ集った仲間達もそれぞれの故郷へと戻っていきます。
 故郷の失ったサウードは最初シェーラザード王国に滞在していたのですが、明るすぎる王国の国民達に、まだ今は会うべきではないと。悪の心を持っているが故に、ではなく、悪の心を手放して短く、光に近づくと疲れてしまうがために一度離れておこうという気持ちで離れました。このシーンも大好きで、悪の心を持っていた魔法使いサウードは、善の心を取り戻し、そして善の心に慣れるために一旦休もうという、それまでのサウードの心の有り様も無視しない姿にニコニコしておりました。彼の中には確かに悪の心がありましたから……そりゃあ、悪に身を収めなくなってから時間も経たない間に光に晒されすぎると疲れてきますよねぇ。

 そして最後のシーンではシェーラひめとファリードが結婚し、子供が産まれます。シェーラひめとファリードがどうかくっついて欲しいと願っていた幼い頃の私は、それは喜んだものです。今でも嬉しいです。
 産まれた子供達が成長し、そして冒険を始めるのが第2部、新シェーラひめのぼうけん、ということですが……読んだ覚えはあるもののほとんど覚えていないため、これを書き終えたら読みに行く所存です。楽しみです。

 このシリーズを読んでいて改めて感じたのは、やっぱりシェーラひめのぼうけんは大好きだということです。
 色褪せない幼い頃の思い出は、今でも心の中にあるのだな、と。その事にとても嬉しくなりました。
 また児童文学を読み続けていきたいと思います。最後まで読み終えたらまたnoteにて記そうかと思いますので、もしよければ見ていただけますと幸いです。

 それでは、またお会いしましょう。

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