BAR sunny

カランコロン「いらっしゃいませ」
「どうも…あれ?」樹里は驚いたいつもと何処か少し違うのだ
違和感の原因はすぐに分かった「あの・・・」と声をかける少女
「え?ああはい・・どうも・・・」ぺこりとお辞儀をする樹里
「はじめまして今日からここでバイトさせていただくことになりました茜です」
「茜ちゃんねよろしく。」急な事態に一瞬戸惑ったがそこは大人の返しで乗り切った
店長がバイトを取るなんて驚いた常連のお客によると「このくらいなら1人で回せますから」
そんな風に答えていたらしく不思議に思っていたら「ご注文お決まりですか?」
茜ちゃんはおそらくあまり飲食店の経験がないのだろうそんな雰囲気を感じさせる。
「じゃあ・・茜ちゃんのオススメにしようかな?」ちょっと意地悪かな?
心の中でそー思った
「そしたら・・・えっと・・これなんていかがでしょう?」
彼女が指をさしたのは「青い珊瑚礁?」
茜は無言で頷く。
その姿を見てクスリと微笑む樹里。
「良いわね私の思い出のカクテルなのいただくわ」
茜は目をキラキラさせながら
「ありがとうございます」
と一言言い裏へ消えていった
「店長バイト雇うなんてどういった風の吹き回し?」
「あはは、なんだろうバイトはバイトなんだけど訳ありというか・・・」
樹里はふともしかして彼女さんなのかな?
その心を読んだかのように
「ちなみに彼女とかじゃないですよ?」
慌てて否定するあたり怪しい
彼は嘘が苦手なタイプなんだろう、
樹里が通っている間にそー思った
そー感じたのは、普段から嫌なことは嫌褒めるところは褒めるそんな人柄もあってだと思う。
「星矢さんモテそうですもんね?」
意地悪く樹里が言う
「そんなことないですよ。好きな人1人振り向かせれないんですから。」
笑いながら言う彼を見てると彼女じゃないのかとふと安心したのであった。
そんな話をしていると茜が戻って来た
「おしぼりだしてないですよね?」
そんなことを気にしていたのかその仕草に可愛らしさを感じる。
ポニーテールを揺らしながら茜が裏に入る
『この子が作ってくれるのかな?』
そんなことを思っていたら
「茜にはまだ早いよ」
そんなことを言いながらレシピを取り上げる
「あっちょっと!」「まずは他のことを一通り覚えてからね?」「パパのケチ」
パパ!?そんな結婚してたの!?
イナズマの様な衝撃が樹里を襲う
「あっこら!シー!」
「お子さんだったんですね・・・」
ふと言葉が出てしまった。
「あーそうなんです実は。」
「可愛いですね?」
「あっありがとうございます」
さっきの言葉はなんだったのよー
心の中で悔しがる
「実はその引き取ったんです・・・」
「はい?」これまた何をいってるんだ?
心の中でそー思った
「でもパパって呼ばれませんでした?」
「姉の子供でして・・・」「お姉さんの!?」話がごちゃごちゃしてきた。
「幼い頃姉が家族旅行中事故に遭いまして・・・」ここで理解が追いつきはじめた
「あっなるほど・・・」これは聞かないほうがいいのかな?
なんて思ってる事は知らず話を続ける星矢
「この子小さい頃から僕に懐いておりましてそんなこともあってか育ててやってくれと
お願いされまして・・・いつのまにかパパ扱いなんですよねよく誤解されるんですが」
と恥ずかしそうに言う彼を見て。
「そんなことがあったんですね。すみませんなんか誤解してて・・・」
「いやいいんですよそんな。今は何も気にしてませんし。」
穴があったら入りたい。
急な恥ずかしさに顔を赤らめてしまう。
「まぁもう7年以上も前のことですからね。気にしないでください」
そんなことを言う彼を見上げると、強がっているのかどこか寂しそうな目をしていた。
「あの今度の休み空いてますか?」
そんな表情のせいかふと言葉が出てしまった。
星矢も驚きながら
「あっはい、空いてますよ?」
「じゃあ、あの!連絡先聞いても良いですか?」
この日の出来事が2人の交際が始まるきっかけになった。
2人が付き合うのに時間はかからなかった。

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