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世界陸上マラソンの結果を受けて。

世界陸上Dohaが終わりました。

混成マイルリレー、女子400mHなどで世界記録が誕生し、走り高跳びでは地元バーシムの復活優勝など各種目でハイレベルな争いが繰り広げられました

日本勢は男子20キロ競歩で山西利和、男子50キロ競歩で鈴木雄介が金メダルを獲得、男子4継も銅メダルを獲得。入賞(8位以内)は男子走り幅跳び、女子20キロ競歩など合わせて8つ。最終日まで日本勢が残っていてほしかったですがある程度の結果は残せたのではないかと思います。

では、男女マラソンはどうだったか、簡単ですが振り返ってみます

男女マラソンの全結果は↑で。(男子はDay 9、女子はDay 1の最下段)

gold L.デシサ(エチオピア) 2:10:40[1:05:57-1:04:43]
silver M.ゲレメウ(エチオピア) 2:10:44[1:05:58-1:04:46]
bronze A.キプルト(ケニア) 2:10:51[1:05:59-1:04:52]
完走55人/出場73人=完走率75.34%

男子は気温29℃・湿度49%の好条件の下、デシサ、ゲレメウのエチオピア勢がワンツー、予想した通りエチオピア勢の優位は動きませんでした。A.キプルトが銅メダルを獲得。
終盤ひたひたと追い上げたC.ホーキンス(イギリス)が世界陸上2大会連続の4位に入りました。アジア大会銀メダルのE.エルアバシ(バーレーン)が7位、前回ロンドン大会金メダルのG.キルイは14位に終わりました。

gold R.チェプンゲティッチ(ケニア) 2:32:43[1:16:40-1:16:03]
silver R.チェリモ(バーレーン) 2:33:46[1:16:40-1:17:06]
bronze H.ジョハネス(ナミビア) 2:34:15[1:16:40-1:17:35]
完走40人/出場70人=完走率57.14%

女子は気温32.7℃・湿度73.3%と男子と違い悪条件の下で開催。持ちタイム最速のR.チェプンゲティッチが優勝、2位に前回金メダルのR.チェリモ、3位銅メダルには39歳H.ジョハネスが入りました。
世界陸上5度目の出場・今年40歳のE.キプラガト(ケニア)が4位、41歳のR.グロナー(アメリカ)が6位など大ベテランが奮闘したレースとなった一方で、R.アガ(ケニア)らエチオピア勢3人、L.サルペーター(イスラエル)らはDNFという結果に終わりました。

40℃超えの超高温を避けようと世界陸上初の深夜開催となった男女マラソンは湿度によりレース内容に差異が見られました。男子は夜で50%未満と、トップ選手はペースメーカー無しレース(Boston、New Yorkなど)と変わらない環境で走れたのではないでしょうか。
一方で、女子は世界陸上史上最も遅い優勝タイム(←2007年大阪2:30:37を更新)が出てしまうほどの悪条件で出場選手の4割以上が棄権。この環境で開催してしまったので、東京はいかなる環境でも競技中止できなくなったかもしれません。

マラソンではないですが過酷な環境の中10種競技に臨む選手を見て
「なぜ夏にやるんだろう…」と呟いた織田裕二さんの気持ちがよーく分かります。禁句ですが

日本勢は男女それぞれ3選手が出場しました。

男子
25位 山岸宏貴(GMOアスリーツ) 2:16:43[1:06:56-1:09:37]
29位 川内優輝(あいおいニッセイ同和損害保険)2:17:59[1:08:22-1:09:37]
37位 二岡康平(中電工) 2:19:23[1:07:26-1:11:57]
女子
7位 谷本観月(天満屋) 2:39:09[1:20:11-1:18:58]
11位 中野円花(ノーリツ) 2:42:39[1:20:19-1:22:20]
DNF 池満綾乃(鹿児島銀行) ---[1:21:11] 30㎞付近で途中棄権

谷本観月の入賞は真っ先に称えるべきでしょう。後方待機から落ちてきた選手を拾いながらネガティブスプリットを記録し日本女子2大会ぶりの入賞。マラソン4度目ながら周りを伺う冷静な走りで、天満屋のチームメソッドが見事発揮されたとも言えます。中野円花も同様の戦法でしたがこちらは入賞ならず。池満綾乃は途中棄権となりました。

一方で男子は入賞どころか3選手ともbest20圏外。当初予想されていた高温多湿にならず、スピード持久力と適応力に大きな課題を残しました。何より非サブテンの山岸宏貴が日本勢1番手に終わり、川内優輝と二岡康平の釧路合宿が否定された形となったのがとても残念でした。ここのところ思った結果が出ていない川内優輝の今後が注目されます。

金メダル・入賞ラッシュとなった競歩陣と違い男女マラソンの台頭に向けてはまだ道半ばです。12月の福岡国際から五輪3枠目をかけたファイナルチャレンジが始まりますがファイナルチャレンジでは

戦力の底上げ(全体)
適応力の向上(個人)
東京五輪より先を見据えているか(個人)

↑3つ全ての条件を満たすことが東京五輪で日本勢が飛躍するための大前提となりそうです。

MGCシリーズ中、マラソン日本歴代10傑は男女とも大きく変わりました。MGCに関してもひとまず成功しましたが東京五輪いや東京五輪以降も上位陣と競えるかどうか、これからの取り組みが必ず重要になってきます。

男子走り幅跳びでは1大会で複数日本記録が更新され、結果的には橋岡優輝の世界陸上22年ぶりの入賞に繋がりました。今ある勢いをさらに加速させるためにも、マラソンに限らず日本記録の複数更新、そうでなくとも標準記録、派遣設定記録(男子full2:05:49/女子2:22:22)前後での高いレベルでの争いに期待したいです。


以上です。今後時間のあるときにMGC(型選考会)に関して少し数字遊びしていこうと考えております。

ありがとうございました

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