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フジミツ タスク
2020年11月13日 22:01
「ねえ、レイ」 誰よりも透き通った声で名前を呼ばれた僕は、ゆっくりと後ろを振り返る。僕の視線の先に佇む少女は、いつも哀しそうに笑い、辛そうに話をする。まるで彼女は、自分が紡ぎ出す言葉は全部間違っていると、確信しながら生きているみたいだ。「この世界に、神さまはいると思う?」 静かだけれど、真っ直ぐに僕の元へ届く少女の言葉は、いつだって心地良かった。「僕は、いないと思ってる」 出来る限り彼女