2020 有馬記念各馬見解①

1.バビット
前走はキメラヴェリテに逃げられ、離れた番手という1番やり辛い展開。距離の壁もあったようだし、実績のある中山非根幹距離に変わるのはプラス。ただ有馬を逃げて好走は、キタサンブラック、ダイワスカーレット等本当に強い馬でないと難しい。それは、どんなペースでも有馬では3〜4角で後続が一気に殺到し、そこで飲まれてしまうため。その時に、更に後続を突き放せるような強さを持ち合わせているようには思えない。

2.ブラストワンピース
この馬はとにかく馬体が重過ぎる。AJCCでも緩かったくらいで、そこから更に増えていたのでは能力云々以前の問題。このコースが合うのは言うまでもないだけに、素質を持て余しているようで勿体ない。ここで仮に馬体が一気に絞れたとしても、馬が走ることに苦しくなっている印象。必要以上に重い馬体を推進させようと、走りがバラバラになっている。これまで乗って来た池添・川田が中穴の馬にここでテン乗りというのも、期待度の低さが表れているように思う。

3.クレッシェンドラヴ
前走はさすがにコース適性が全く無かった。福島20が1番向いているように、消耗戦のロングスパートが効くレースで力を発揮するタイプ。それはGⅢまでであれば相手関係的に通用するが、GⅠだとそういう展開になっても地力がそもそも高いので、前を交わせず後ろからも交わされる展開になってしまう。さすがにここでは厳しい。

4.ラヴズオンリーユー
春先は仕上がりの悪さが、2走前は道悪が影響した(仕上がりもまだ万全では無かった)ことを考慮すれば、やはりオークス時への出来に戻すのに時間を要している。その原因が何なのかはわからないが、前走はこれまでに比べかなり良化していたようで、現状あれくらいが今のこの馬の出し切れる力だと思う。また、正直エリ女はノームコアが飛ばして前が崩れ、阪神内回でも外差しが容易に出来た展開になったことが大きい。実際5着にもかなり後ろにいたセンテリュオが来ている。そのため、かなり早仕掛けで押し切ったラッキーライラック以外は、着順を鵜呑みにしてはいけないと感じる。

5.ワールドプレミア
前走はほぼ1年振りを考慮すれば及第点の内容。上位5頭以外は離れたレースをしていたので、あまり評価は出来ないが。去年はアエロリットが大逃げし、前が総崩れ、内目にいた馬が全て垂れるという展開ありきの3着。3歳時のレース内容からもあまり器用なタイプではなく、それが故にコーナー4回内回りの皐月賞を回避して成長を促した経緯がある。確かに今は成長はしていると思うが、前走のJCでも何とか間に合ったというレベルで、まだまだ完調には遠い。

6.キセキ
前走の大逃げハイペースでもそこまで負けなかった点から、改めて地力の高さが窺える。今年、秋古馬3レースを皆勤したのはこの馬だけで、もうお釣りに乏しい。調子が良かった2018年でさえ5着に敗れており、年齢的にもその時以上の着順を望むのは厳しい。スタート、気性の影響で近走のレース内容にブレが大きいのも懸念点。

7.ラッキーライラック
前走は難しい枠だったが、強気に早仕掛けして後続を抑え込む強い内容だった。差しに脚質転換した昨年のエリ女からも、やはり脚を溜めた方が向く。この馬の買い時は全て時計に表れており、スピードが活かせる馬場・展開になるかという点が全てな気がする。上がり3Fからしても明らかなように、上がり3Fで34.5以下使えるかどうか。上がりを要した宝塚や秋華賞は大敗、札幌記念もペルシアンナイトに敗戦。有馬は時期的にも時計を要する馬場になりやすく、今年はバビットやキセキ等が瞬発力勝負には持ち込まないはず。カレンやクロノあたりも本質的に瞬発力勝負より、持続力勝負が向くので早めに進出することになる。レース傾向が全く合わず、ルメールが乗らない+引退レースという背景もあり、あまり買う気になれない。

8.ペルシアンナイト
前走はレースの流れに乗れておらず、単純に後ろ過ぎたことで脚が残っていた。相手が強過ぎたのもあるが、3年連続好走していた休明け→マイルCSでも今年は見せ場が無かった。ダービー以降1600を中心に2000m以下に拘っているように、距離的にも疑問がある。また、最近馬体重が増え気味なのも、年齢的に絞りにくいのではないか。

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