2021 日本ダービー各馬見解
1.エフフォーリア
超ハイレベルの共同通信杯で1頭次元が違ったことからも、この世代全体でも抜けている。先週のソダシと違い、折合い面で心配も見られず、父エピファネイアからもこのコースはプラス。前走コーナー4回でしっかり内で脚を溜めれて、馬が嫌がる素振りも無かったことから、包まれることによる影響も考えにくい。力関係を測れる馬も多く、逆らう気にはなれない。
2.ヴィクティファルス
共同通信杯→スプリングSとシビアなレースが続いたことで、皐月賞では上積みに乏しかった印象。この皐月賞時の内容があまり良くなかったので、中間の気配次第と考えていたが、まだデキが戻り切っていない。スプリングSで好走しないとGⅠ戦線は厳しい→スプリングSでかなり仕上げた上に、レース自体が道悪で最後の最後に差すタフな勝負。これの影響が尾を引いている気がする。実際、スプリングS3着のボーデンは戦線離脱し、その後このレースを使った馬は次走見所が全く無い。狙うなら、血統背景も加味して秋以降か。
3.タイムトゥヘヴン
前走は不利が無ければ、3着争いには絡めていた可能性はあった。弥生賞で逃げたタイトルホルダーが勝った中で3番手からあっさり垂れてしまっており、距離の壁としか思えない。ニュージーランドT、前走と16では甘い所が抜けており、その点からも距離延長はマイナス。上のガロシェや母キストゥヘヴンも20以上だとパフォーマンスが落ちていた。血統的背景からも24で買う魅力は無い。
4.レッドジェネシス
ここ2走の内容が、それ以前のジリっぽさとは違った良い走りをしている。言い換えれば、時計が掛かるような条件で好走しており、速い時計が問われるレースになると鈍足っぽさが少し出ている。未勝利でそれが出ていた時点で、メンツが違い過ぎる上に高速馬場濃厚の今回は厳しい。
5.ディープモンスター
足は使えるが、スパッとキレるタイプでは無く、かなり緩やかな展開、少頭数でも位置が取れないのは痛い。本来京都新聞杯を使う予定が、調整が狂って皐月賞から直での臨戦。中間の馬体を見ても、その頓挫が響いてるかのように、馬体が細く感じる。24に伸びるとはいえ、タフな展開・レースが想定される以上、相当後ろからの競馬になる可能性が高い。現状、人気的にも非常に妙味が薄く、買いにくい。
6.バジオウ
スタートが良い馬で、毎回好位に付けれる先行力は評価出来る。ただ、前走含め楽な競馬しかしておらず、展開的恩恵があった好走例ばかり。実際前走も4角4番手以内にいた馬が、上位を占めている。東京で好走しているとはいえ、GⅠで通用するにはもっと速い上がりを使えて欲しい所。
7.グラティアス
前走は出遅れた上に、外枠からずっと外を回り、直線向いた時には他馬に弾かれる三重苦。レース振りもそれまでと真逆と言って良いくらいの内容。逃げて上がり最速、3番手で上がり最速という好位に付けた時の内容が非常に良い。NHKマイルのソングラインもそうだが、終わってみれば、ルメールが乗ったことのあるノーザン穴馬というのが今まで何度もある。レース振りにいちゃもんはつくが、ハマれば怖いと思う。
8.ヨーホーレイク
前走は着順だけ見れば相当善戦してはいるが、正直大勢決着した後に突っ込んで来たようなレース内容。全て上がり最速を使えてはいるが、時計の掛かる馬場、道悪でのものばかり。それは仕方ない面もあるが、そういうレースでことごとく脚を使えている点から、高速馬場でプラスになるタイプの馬ではないと思う。クロウキャニオンの仔はクラスが上がり、切れ味勝負になると分が悪い馬が多い。この馬はその中でもキレるが、クラスが上がるに連れ、ジワジワ力差が出始めている印象。陣営がわざわざ「馬場変わりにも対応出来るはず」と触れているのも違和感がある。普通、ディープ産駒でこれだけ上がり最速を使っているのなら、パンパン良馬場でなおさらパフォーマンスを上げるのを期待するのでは。少なくとも陣営側は高速馬場向きではないと内心思っている気がしてならない。
9.ラーゴム
前走は序盤からガッツリ折合いを欠いていたことが影響した。きさらぎ賞でも同じようなレース振りで、そうなるとより脚を溜める必要があるこの条件は合わない。アイビーSの内容からも、万に一つ折合い完璧でもキレ負けするイメージ。
10.シャフリヤール
前走は超高速決着での勝利と、時計面も内容も中身の濃いレースだった。共同通信杯も前走も追走が今一つだったように、兄アルアインとはまた違ったタイプ。距離延長は非常に魅力的であり、素直に評価したい。後で触れるが、グレートマジシャンと違って戦って来た相手、脚の使い方からダービーで抑えたいと思って来た馬であり、ここは上位印を打ちたい。
11.ステラヴェローチェ
前走は内でずっと溜めた競馬をしていたし、トラックバイアス的にも120点の競馬をしていた。他の馬が相当外を回っていた恩恵もあったし、良くも悪くも実力での着順とは思っていない。共同通信杯は斤量差があったとはいえ、あっさりと負けていた。父バゴのクロノジェネシスもそうだが、走法的に東京って感じがしない。
12.ワンダフルタウン
前走、課題の休明けながらしっかり勝ち切った内容から成長振りが窺え、僅差の2着は共同通信杯で上がり最速だったキングストンボーイと申し分ない相手。青葉賞は中間追い切りでCW全体は速いものの、終い一息の内容でやはり休明けっぽい感じは少しあったものの、今回全体も早く、終いもキレる抜群の追い切り。長めであの時計である点からも、今回のメンツの中で1番このコースが合っていると感じる。再度の東上、相性の悪い青葉賞組というのはあるが、それでも買いたい1頭。
13.グレートマジシャン
前走は追い辛そうにしていた上に、直前でもヨレていた中であの時計とパフォーマンス。相当器としては大きく、期待したい1頭ではある。ただ、道中モタ付く点と、左回りの距離延長が気掛かり。モタ付くというのは、前走もそうだが新馬の時も一時は両サイドの馬に飲み込まれそうなくらい、ギアが上がらなかった。セントポーリア賞はハイパフォーマンスではあったが、「スロー瞬発力勝負18」という条件だったからではないか。揉まれる競馬をしていないし、これまで戦って来た相手でも、まともなのはシャフリヤールくらい。同じ毎日杯組でもこちらは罠だとみる。
14.タイトルホルダー
前走の好走は、3,4着の馬も内を立ち回っていたわうに、外目を回った馬がかなりロスのあるコーナーリングばかりだった影響もある。選考力はあるが、東スポ杯2歳Sでは、展開利があるもダノンザキッドに千切られ、ジュンブルースカイに詰められていた。コーナー4回の中山なら別だろうが、今回外枠で自身より内にも外にもハナ、2番手に拘りそうな馬がいる。それらを見ながらというのはやり辛いし、コース傾向からも先行勢は強気に変えない。皐月賞2着なのにこの人気!?と思う人は多いだろうが、実力的にはこの人気で納得だと思う。
15.アドマイヤハダル
前走内で溜めて3着とは僅かな僅差だったが、馬場を気にしてか最後に甘くなっていた。微妙に前日の雨の影響が残っていたアイビーSでも馬場を気にしてたのことで、パンパンの馬場になるのは良いと思う。若葉Sの勝ち方は評価出来るが、他が弱かったとも言える。また、コーナー4回の右回りに良績が集中しているとも取れ、左回りではパフォーマンスを落としている。中間の調整に狂いがあった点と、調教後馬体重が減っている(輸送有)のも気掛かり。
16.サトノレイナス
この馬の良い所は、全レースとも展開云々関係無く追い込んでいる点。そういう意味では、先週のユーバーレーベンもそう。(柴田台知騎乗時を除いて。) 16でソダシが相手とはいえ、上がり32.9の脚を使っても届かなかったように、16では忙しいのは前々から明白で、血統的にもこれくらいの距離での東京は非常の良い。牝馬で8枠というかなりキツイ条件ではあるが、溜めれば確実に伸びて来るので抑えは必須か。
17.バスラットレオン
前走は度外視で良いが、ある程度引っ張って後続に脚を使わせるタイプなだけに、大外枠と800mの距離延長は非常に分が悪い。前走直後にダービーへの出走を表明したように、NHKマイル不完全燃焼→せっかく仕上げたのに春先使える16のレースが無い→賞金的にダービー出れるから出よう、そういう流れでは。矢作調教師もハナに行ってくれればそれで良いと、結果よりレース振りを重視したコメントをしているように、ここでは買えない。
現予想
◎エフフォーリア
◯ワンダフルタウン
▲サトノレイナス
△シャフリヤール
△グラティアス